アイシンが予てより企画・提案してきた「ごみ収集DXサービス「ReGoMe(リゴミー)」が愛知県小牧市から粗大ごみ収集受付業務委託を受託した。運用の開始は1月6日から。自治体からの〝アイシンReGoMe〟の受託は、愛知県日進市、愛知県岡崎市に続く3例目となった。
そもそもアイシンは、いわゆる「100年に1度の自動車変革期」を迎えている自動車産業全体の行く末を鑑み、10年以上前から派生製品・サービスの可能性を模索。
持ち前のデジタル技術を活用した業務効率化やAI先端技術の開発に取り組み、社会課題の解決に貢献できるDXサービスの考案・技術蓄積を重ねてきた。今回の〝〟ReGoMe(リゴミー)〟も、そうした新事業枠のソリューション型サービスのひとつだ。
そんなアイシンのDX施策は当初、フィジカル空間(実世界)の情報をサイバー空間(仮想世界)に集めてデータ分析を行い、そこからのフィードバックを活かす社内環境のデジタルツイン化から歩み始めた。
その後、同社のDX化施策は自社内の〝設計開発〟〝事務・管理業務〟へと拡張。そこから社外を包括した物流上の課題解決ソリューションへ。更には、地域のモビリティサービスへと着実に行動範囲を広げてきた経緯がある。
ごみ収集DXサービスReGoMe(リゴミー)については、先の2023年3月(締結は2月13日)の日進市との「地域循環型社会の推進に関する連携協定」を皮切りにサービス拡充を図り、今回の小牧市との業務受託へと繋いできた。
さて、ここで一旦、自治体側から見た〝ごみ収集に係る事業〟の実情を振り返ると、こうした業務に欠かせない若年層の定着率の低さ、現在、勤務を担っている熟練者の高齢化などの〝人材問題〟が喫緊の課題となっている。
またゴミ収集に係る事業への取り組みに際して、多くの自治体や委託業者は、広報媒体(自治体発行紙など)に記載した電話番号、紙の地図入れ込んだチラシを筆頭とするアナログな伝達手段に頼り切り、その結果、紙資源の浪費や、情報発信に関わる工数の浪費を続けてきた。
より具体的な個別事例でも、住民が粗大ごみの収集を申し込む際、多くの自治体では電話による問合せか、紙で申し込みむ手段しかなく、しかも、それらは受付時間自体も限られるという不便さが付きまとう。
そこでアイシンでは、自らのカーナビゲーション開発で培った位置情報プラットフォームを活用。ごみ収集管理業務を効率化するクラウドシステムのReGoMe(リゴミー)を考案した。
ReGoMe(リゴミー)をつかうことで紙の地図で管理していたごみステーションの情報を、デジタルマップ上に移しただけでなく、正確な位置情報の把握や収集ルートの自動生成、ドライバーへの経路案内と収集結果のリアルタイムでの記録を実現させた。これによりクラウド上での工程管理ができるようにした。
更に自治体や委託業者へのヒアリングを実施することにより、現地へ出向いた実態把握や、困りごとの把握を行い、〝利用顧客の困りごと〟を真に理解した上で開発を進めることで、各自治体ごとのニーズに柔軟に対応しながらサービスを構築することができるとアイシンでは謳っている。
アイシンでは、「私たちはごみ収集を物流のひとつと捉え、物流支援を通じてごみ収集業務のデジタル化による業務効率化と負担低減を推進し、自治体・委託業者、地域住民にとって便利で住みやすい街づくりに貢献することをめざしていきます」と話している。
アイシンが示すごみ収集DXサービス「ReGoMe」のメリットは以下の通り
(1)地域住民・自治体、収集業者それぞれに適した3つのアプリを備え、ごみ収集の全工程をスムーズに完結。
(2)粗大ごみのWEB受付では、マップ上での詳細位置指定が可能。これにより、収集時の迷いや漏れを防止。
(3)交通状況に応じたルート案内と収集結果のリアルタイムなクラウド管理により、誰でも効率的な収集作業が可能。