愛三工業は12月13日、豊田市つながる社会実証推進協議会との取り組みの一環として、エンジン発電機と蓄電池を搭載した同社開発ハイブリッドドローンの飛行・給電実証実験を実施したことを発表した。
愛知県豊田市は、全域が地震防災対策強化地域に指定され、南海トラフ地震など震度7クラスの災害発生時には、市内山間地域において土砂崩れによる孤立集落発生が想定されている。地震発生と同時に停電するケースも多く、孤立集落における電力供給は課題の一つであった。
今回、愛三工業は開発技術を社会課題解決に活かそうと、同協議会の一員として、給電支援の実証実験を行うこととした。実験場所として「豊田市地震被害予測結果報告書」において孤立可能性が高いとされる豊田市稲武地区を選定。遠隔地からドローン飛行を行い、搭載した発電機から家電への給電が可能かを検証した。
当日は名倉川上約2kmを約15分間かけて飛行し、被災直後に必要とされる家電製品(充電器、ポット、水汲みポンプ、照明、扇風機など)への給電を実施。現在の仕様では、約10名程度の避難所で使われる丸1日分の電力を供給できる計算となる。
なお、災害発生時の被災想定地域におけるドローンを活用した給電の実証実験は国内初(愛三工業調べ)の取り組みとなった。
■ハイブリッドドローンの性能
項目:機能・性能
最高速度:15km/h
最大離陸重量:36㎏
最大ペイロード(燃料含む):4kg
対応天候:雨天および風速5m以上等の悪天候時以外
飛行方式:自立飛行/マニュアル(飛行中に切り替え可能)
搭載物(例):DC/ACインバータ(定格700W)
製作会社:愛三工業株式会社