豊田市つながる社会実証推進協議会(以下、同協議会)に参画する、あいおいニッセイ同和損害保険(あいおいニッセイ同和損保)とJVCケンウッドの2社は、愛知県豊田市と、ドライブレコーダーおよび視線計測装置を活用したドライバーの身体・認知機能に関する実証実験を、2月から豊田市内で開始する。
交通事故全体件数の7割は、安全運転義務違反によるものとされるが、しかしその中には、運転操作不適、漫然運転、動静不注視といった身体・認知機能に起因するものも少なくないと云う。
日常の運転時から、ドライバー本人の状態と運転の状況を把握・評価して、身体・認知機能低下の兆候を早期認識することができれば、安全・安心なモビリティ社会の実現につなげることも期待できる。
あいおいニッセイ同和損保では、通信機能付きドライブレコーダー(JVCケンウッド製)を活用したテレマティクス自動車保険(※1)を提供している。
また、JVCケンウッドでは、同社開発の視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」を活用した認知機能検査技術を蓄積してきた(※2)。
両社は、AI・IoT・ビッグデータなどの先進技術の実証・実装により、持続可能な都市づくりを目指す同協議会へ参画し、各社のリソースおよび同協議会の実証事業の枠組みを活用した実証実験を行う。
※1:JVCケンウッド製の通信機能付きドライブレコーダーを活用したテレマティクス自動車保険には、「ささえるNAVI Lite」、「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」、「タフ・見守るクルマの保険プラス」がある。
※2:認知症の早期診断に向けた認知機能検査技術に関する研究を国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科 武田朱公寄附講座准教授らの研究グループと実施。
[実証実験の概要]
(1)あいおいニッセイ同和損保、JVCケンウッドおよび豊田市は、運転に必要な認知機能の気付きとなる兆候(認知状況・運転行動)の把握に向けて、ドライバーの身体・認知機能に関わる実証実験を行う。
具体的には、被験者ドライバーに、ドライブレコーダーおよび視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」により、視線データ等の生体情報および自動車を運転中の運転挙動に関するデータを収集し、身体・認知機能低下に関わる兆候の分析を実施する。
(2)3者は共同での実証実験に際して、以下のとおり連携・協力する。
①豊田市は、実験場所の調整、被験者の募集等、実証実験のコーディネートを行う。
②あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険に関わる知見・データ分析等のノウハウ等を提供する。
③JVCケンウッドは、ドライブレコーダー・視線計測装置の提供、データおよびデータ分析のノウハウを提供する。
[実証実験の実施日時・場所]
①非高齢者ドライバーの視線計測によるデータ収集
<内容>
高齢者ドライバーとの比較のために、非高齢者ドライバーを対象として、視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」およびドライブレコーダーを活用した視線計測を実施する。
<対象者>
豊田市在住の非高齢者(20~50代)10名程度
<日時>
令和2年2月25日(火)午後2時~午後5時
<場所>
豊田市 元城庁舎3階大会議室(住所:豊田市元城町3-17)
②高齢者ドライバーの視線計測および運転状況の把握
<内容>
高齢者ドライバーを対象として、視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」およびドライブレコーダーを活用した視線計測を実施し、かつ、私有地内(教習所)での実走により、運転状況の把握・評価を行う。
また、①で視線を計測した非高齢者ドライバーにも、私有地内(教習所)での実走により、運転状況の把握・評価を行い、高齢者ドライバーとの比較データを収集する。
<対象者>
豊田市在住の高齢者(75歳以上)10名程度
豊田市在住の非高齢者(20~50代)10名程度
<日時>
令和2年4月20日(月)午前9時30分~午後5時
<場所>
トヨタ中央自動車学校(住所:豊田市三軒町8-18)
③日常運転でのドライバー運転状況の検証
<内容>
①②で収集したデータを踏まえ、ドライバーの公道での日常的な運転状況を検証することで、ドライバーの視線や認知機能、運転挙動の相関について分析を行う。
<対象者>
豊田市在住の高齢者(75歳以上)30名程度
豊田市在住の非高齢者(20~50代)30名程度
<日時>
令和2年6~7月頃