愛知製鋼は10月13日、愛知県が常滑市の中部国際空港・りんくう町で行われる「自動運転によるビジネスモデルの構築」を目指す取り組みの一環としてGMPS( 磁気マーカシステム/車両底部の磁気センサが、走路に敷設された磁気マーカの磁力を頼りに運行する自動運転支援技術 )を用いた自動運転実証実験に参画する。( 坂上 賢治 )
この実証実験は、実際の交通事業者が事業として再現可能なビジネスモデル構築を目指すもので、GMPS( 磁気マーカシステム )からの取得情報とビッグデータを組み合わせて、空港利用者の移動と観光客の周遊を円滑化させるべく行われるもの。GMPSを活用した有料の自動車専用道路下の走行は日本でも初めて実証となる。
走行ルートは、中部国際空港アクセスプラザ1階の空港バスのりば9番停留所と、イオンモール常滑を周回するもの。これに加えて、イオンモール常滑と名鉄常滑駅を周回する2つのルートがある。いずれも、中部国際空港島・中部国際空港連絡道路の一部区間と、料金所で磁気マーカが敷設されている区間に限られる。
運行期間は、10月28日( 金/報道公開 )に加え、10月31日(月)から11月6日( 日 )。この実験で目指す目標は、一般道と自動車専用道路( 中部国際空港連絡道路 )に於ける悪天候時の安全向上を図る事。更にGMPS信号の受信が困難な料金所で、安定した走行を実現させる事にある。
これは一般的に、自車位置検出機能の一つとして使われるGNSS( いわゆるGPS利用。人工衛星から発信される電波を用いて測位を行う技術 )が苦手とするビル等の遮蔽物の影響、衛星の電波が届きにくい箇所( 空港島総合物流地区 )でGMPSが有用であるためだ。
またLiDARは、レーザー光を反射する物体が少ない海上橋が苦手であるため、そのような環境下でもGMPSを併用する事で安定した位置情報の捕捉を可能にするためでもある。つまり先の通り、愛知製鋼のGMPSが、どのような天候下であっても運行車両の位置情報を正確に推定出来るシステムであるかを検証するために使われる。
そもそも天候劣化になどの悪条件下では、走行路面にあらかじめ埋設した磁気マーカーを頼りに運行出来る事が重要であり、この点が同社のGMPSの強みのひとつだ。
参考: 愛知県リリース
実証実験走行ルート全体図と磁気マーカ敷設箇所(赤い丸囲み箇所)
GMPSの動作イメージと磁気マーカ(表面設置型、直径100mm)
問い合わせ先:愛知製鋼株式会社・広報室:052-603-9216