トラストスミスは11月10日、社会のニーズに答える最先端ロボティクス技術を社会へ実装し還元することを目指す関連会社「次世代ロボティクス・バイオニクス研究所(増岡研究所)(INGRaB)を設立したことを発表した。最先端のAI・ロボティクスの技術を活用したソリューション提供を行うトラストスミスグループ傘下の研究機関としてメカトロニクス分野を中心とした技術の創出と実用化に注力していくとしている。
次世代ロボティクス・バイオニクス研究所は、最先端の技術を使った製品によって、①人件費削減と労働力不足の解消、②データの蓄積と消費エネルギーの最適化、③作業のミス・災害の防止の実現を目指す。
研究内容は、以下を予定している。
■障害物回避アルゴリズム
リーマン計量を用いた仮想の「(ポテンシャル)場」を考え、障害物の周辺空間のポテンシャルエネルギーを高めるという手法。物体はなるべくポテンシャルの低い方向へ進もうとする一般的性質から、障害物を回避する経路が選択される。
■画像認識AI
様々な用途に応用可能な、高精度のトラッキング機能や顔認識機能の構築を行う。
■環境地図作成
カメラなどのセンサーを使って周辺の障害物の位置を特定し、その場の地図を生成。自己位置推定の技術と組み合わせて利用する。
また、同研究所では、研究開発した上記の技術を利用してトラストスミスへ製品提供している。以下が研究開発した商品には以下の事例がある。
■アームロボット
センサーで障害物を自動で検知し、衝突を回避しながら目的物まで到達するアームロボット。最先端の3次元オブジェクト認識の技術を用いて目的物を分別し、ピックアップ作業までを一貫して実行できる。東京大学理学部物理学科出身、京都大学基礎物理学研究所 高柳研究室在籍の研究者により開発された。
■ラベル認識
ダンボールに貼られたラベルの数字を自動で読み取る装置。従来では手作業で行う必要があった単純作業を、人間に代わり、この装置が高い精度でスピーディで行うことが可能。
■自動運転トラック
工場敷地内である倉庫から別の倉庫へ大量の製品を運搬する際、自律走行機能を備えたこのトラックであれば、こういった工程を無人で何往復でもこなすことができる。
トラストスミスでは、社内の組織体制として「ラボ制」を採用し、東京大学や京都大学をはじめとする学術機関に在籍あるいは卒業した研究員を中心に、当社独自のアルゴリズムの研究開発に取り組んでいる。次世代ロボティクス・バイオニクス研究所以外にも、さらなる研究開発を行うため、今後も新たな研究所を設立する予定。
■次世代ロボティクス・バイオニクス研究所:www.ingrab.net