SMITH & FACTORYは5月31日、無人フォークリフトの開発に着手したと発表した。
近年、機械技術の発達により生産の合理化が進み、搬送におけるフォークリフトの需要が増加している。一方で、 フォークリフトによる労働災害の死傷者数は年間約1,900人と長年横ばい傾向にあり危険な状況が続いている。
事故原因としては、転倒・転落・落下・追突などが挙げられる。SMITH&FACTORYは以前から、このフォークリフトによる事故の問題に注目しており、過去には「フォークリフトの衝突防止システム」を開発してきた。
今回は衝突事故だけでなく、フォークリフトに関わるあらゆる事故を未然に防ぐため、「無人フォークリフト」の開発に着手した。この技術により、工場内物流や、流通現場におけるフォークリフトによる事故防止を始め、労働力不足の解消や作業効率の向上を目指す。
また今後は、同社が同様に重要視している「在庫の置き場がまちまちなために在庫探しの効率が悪い」という課題の解決に向けて、倉庫内のナビゲーションシステムも同時に開発を進めていく予定だとしている。
技術の特徴
①SLAM誘導で走行
LiDARセンサにより自己位置を常に把握し、 最適な経路を生成しながら設定された目的地へ自律的に走行ができるSLAM方式の自律走行アルゴリズムを用いる。従来の磁気誘導方式のように床面への磁気テープの埋設を必要としないため、 導入が容易であり、加えて効率的な移動が可能であるという特徴を持つ。
②安全かつ正確にタスクを実行
3D-LiDARセンサに加え、デプスカメラと障害物検知アルゴリズムの組み合わせにより安全性を更に担保する。1次元LiDARセンサとサイドシフト制御などの組み合わせによりミリ単位でのパレット運搬が可能となっており、安全かつ正確なタスクの遂行が可能である。
③搬送物の種類に依存せず、様々な物を搬送可能
オーソドックスなパレットの搬送に加え、原紙ロールのような貨物の搬送も、 ニーズに応じてカスタマイズ可能なハードウェアを用いることで対応できる。