トヨタ自動車、日野自動車、アサヒグループホールディングス(以下、アサヒグループ)、西濃運輸、NEXT Logistics Japan(以下、NLJ)、ヤマト運輸の6社は、国内商用車全体のCO2排出量の約7割を占めるとも云われる大型トラックのCO2排出(*1)削減を目指し、燃料電池(FC)大型トラックの走行実証を行うことで合意した。
走行実証は、2022年春頃から開始される予定。トヨタと日野が共同開発するFC大型トラックを、トヨタ、アサヒグループ・NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸の各社・物流業務で使用する。
FC大型トラックを開発するトヨタらは、幹線輸送に使われる大型トラックは、十分な航続距離と積載量、短時間での燃料供給が求められることから、その電動化においては、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池システムの有効性の高さを主張。航続距離の目標を約600kmに設定し、環境性能と商用車としての実用性の高次元での両立を目指すとしている。
また、走行実証に参加する各社は、製造工程の省エネルギー化や物流業務での環境負荷の低減など、地球環境問題を重要な経営課題のひとつとして位置付けていることから、今後、FC大型トラックの早期実用化に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していきたいとしている。
*1:車両総重量3.5t超のトラック・バス、日野調べ(2020年9月末現在)。
[実証概要]
– 開始予定時期:2022年春頃
<輸送内容・走行ルート案>
■アサヒグループ・NLJ
アサヒビール茨城工場でビールや清涼飲料、アサヒビール平和島配送センターで洋酒やワインなどを積載し、NLJ相模原センターで荷下ろし、関西からの荷物を引き取って茨城工場に戻る。
・アサヒビール茨城工場(茨城県守谷市)→アサヒビール平和島配送センター(東京都大田区)→NLJ相模原センター(神奈川県相模原市)→アサヒビール茨城工場
■西濃運輸
東京支店から相模原支店宛、小田原支店宛の荷物の拠点間輸送を行う。
・東京支店(東京都江東区)→相模原支店(神奈川県相模原市)→小田原支店(神奈川県小田原市)→東京支店
■ヤマト運輸
荷物の仕分けおよび、幹線輸送の拠点である羽田クロノゲートベースと群馬ベース間で集約された宅配便荷物等の拠点間輸送を行う。
・羽田クロノゲートベース(東京都大田区)⇔群馬ベース(群馬県前橋市)
■トヨタ
愛知県内のトヨタの各工場とトヨタ飛島物流センターの拠点間で部品輸送を行う。
・トヨタの各工場(愛知県)⇔トヨタ飛島物流センター(名古屋港)
<走行マップ>
■アサヒグループ・NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸
■トヨタ
[車両概要(参考)]
– 車両:
・ベース車型:「日野プロフィア」FR1AWHG
・全長/全幅/全高:11,990/2,490/3,780mm
・車両総重量:25t
– FCスタック名称(種類):トヨタFCスタック(固体高分子形)
– モーター種類:交流同期電動機
– 高圧水素タンク:大容量高圧(70MPa)水素タンクを新開発
– 駆動用バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー
– 航続距離(目標):約600km
※都市間・市街地混合モードでのトヨタ・日野測定値。