AGCは6月8日、同社のバイオ医薬品CDMO(*1)事業子会社であるAGC Biologics(本社:米国/以下、AGCバイオロジクス)が、BioNTech(バイオンテック)社から、“Pfizer(ファイザー)-BioNTech COVID-19ワクチン(*2)”の原材料である「プラスミドDNA(*3)」の製造を受託したと発表した。
プラスミドDNAは、バイオンテック社のmRNA型のワクチン(*4)の原材料となるもの。なお、製造は、AGCバイオロジクス社のドイツ・ハイデルベルグ工場で行われる予定だと云う。
AGCバイオロジクス社は、日本・米国・欧州に製造拠点を有し、プロセス開発、スケールアップ、治験段階から商用医薬品原薬の製造に至るまで、様々な高付加価値サービスを提供。今回、数十年にわたるCDMOの実績、およびグローバルで統一された高水準の品質・サービス力が評価され、新型コロナワクチン向けのプラスミドDNAの製造パートナーとして選定された。
AGCグループは、製薬会社の新型コロナウイルス感染症向けのワクチンや治療薬の原薬・原材料製造を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の抑止や流行の終息に貢献していきたいとしている。
*1)CDMO (Contract Development & Manufacturing Organization): 製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社。
*2)バイオンテック社が所有するmRNAワクチン技術に基づく同ワクチンは、同社とファイザー社により共同開発された。バイオンテック社は、EUにおける製造販売承認、ならびに米国(ファイザー社と共同)、英国、カナダ等の国において計画している製造販売承認申請に先立つ緊急使用許可または同等の許可等を有する。
*3)プラスミドDNA:目的遺伝子を細胞内に運ぶために使用されるDNA。mRNA製造にも用いられる。
*4)mRNAワクチン:ウイルスの一部のタンパク質の設計図となるmRNAを投与することにより免疫を誘導させるワクチン。
■AGC Biologics:http://www.agcbio.com/