実証実験中の様子
VTOL型ドローン機体の「エアロボウイング」による医薬品と食料品の物資輸送実証
エアロセンス(所在地:東京都文京区、代表取締役社長:佐部浩太郎)は12月8日、当月上旬に鳥取県鳥取市でドローンによる医薬品と食料品の物資輸送実証実験を実施。同実証でVTOL型ドローン「エアロボウイング」(AS-VT01)による運航を行った。
実証実験に提供したエアロセンスのドローン エアロボウイング AS-VT01
このプロジェクトは「鳥取県デジタルグリーン物流推進補助金」を活用した鳥取県初の試みで、2022年10月中旬に1回目を実施、今回は2回目と運行実証となった。
当該実証実験はドローン輸送に於ける航路設定のため地域連携を図る事も目的としており、エアロセンスを含む以下の各社が実証実験に参加した。
– NEXT MOTION プロジェクトマネージャー、ドローン運航管理
– 徳吉薬局:二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助事業共同事業者、医薬品提供
– トルビズオン:プロジェクトアドバイザリー、上空シェアリングsora:share
– 鳥取県:鳥取県デジタルグリーン物流推進補助事業
– 鳥取市:二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助事業共同事業者、地域調整
^ エアロセンス:機体提供、運航
前回の実証実験ではマルチコプター型のドローン(エアロボ AS-MC03-TBox)を利用して約5kmの距離の医薬品の輸送を約10分間で飛行。今回は長距離・短時間で輸送を行う目的で、エアロセンスのVTOL型ドローン「エアロボウイング」が選ばれた。
今実証実験の飛行経路は以下の通り。
(1) 【A地点】千代川河川敷(古市スポーツ広場)~【B地点】トリノス神戸(旧神戸小学校)(約11km)
(2)【B地点】トリノス神戸~【C地点】鳥取市立江山学園(約5.3km)
今回の実証実験の飛行ルート
実証実験はA地点の千代田河川敷から、B地点のトリノス神戸まで約11kmの空路をドローンで医薬品を輸送。その後、B地点のトリノス神戸からC地点の江山学園までの約5.3kmは食料品を輸送した。
A地点の千代田河川敷からB地点のトリノス神戸まで約11kmの距離を約13分、B地点のトリノス神戸からC地点の江山学園まで約5.3kmの距離を約8分で輸送し、長距離かつ短時間での物資輸送でVTOL型のドローンが有効である事が実証された。
エアロセンスの「エアロボウイング」は国内のドローン業界初となる垂直離着陸型固定翼ドローンとして2020年10月に発売し、同機は既に広域・長距離での監視業務などに様々な企業や自治体などで活用されている。
航続距離は最長50km、最高速度100km/h、最大積載可能重量は1kgで、長距離および短時間の物資輸送にも適しているという。
今後は、この試験を通じて、課題や採算等を含めた実現性を検証すると同時に、地域に向けたドローンに対する社会受容性を高める活動を継続する予定。
一方、機体のエアロセンスは、これまで環境省や国土交通省等が実施する物流実証実験に協力した実績を持ち、高い機体性能や信頼性が認められているとしている。
従って2022年12月5日、改正航空法が施行され有人地帯で目視外飛行が可能となるレベル4の解禁に伴い、今後も同様の実験に積極的に協力する事でドローン物流の普及と実装に貢献していくと結んでいる。