AS-VT01K
飛行許可・承認申請不要で特定飛行が可能に
エアロセンスは6月5日、垂直離着陸型固定翼(VTOL)ドローン「新型エアロボウイング(AS-VT01K)」の、国土交通省による無人航空機(ドローン)の型式認証制度に於ける審査が終了。第二種型式認証を取得した。なお、VTOL型ドローンの第二種型式認証取得は国内初となる。
型式認証は、無人航空機(ドローン)を対象とした設計及び製造過程が安全基準(強度、構造及び性能の適切性)および均一性基準(製造等業務の適切性)に適合するかを検査し認証する制度。
型式認証を受けた型式の無人航空機については、機体認証の際に機体毎に行う設計、製造過程及び現状検査の全部又は一部が省略される。エアロボウイングの運用コンセプトは離陸から着陸まで長距離を目視外で自動飛行するもので、この安全性と信頼性が基準に適合し認証された。
今認証取得で、事前承認が必要な特定飛行のうち目視外飛行が対象となり、これによりレベル3の飛行が可能に( 無人地帯で立入管理措置を行った上の目視外飛行 )。併せてレベル3.5での飛行も可能になった( 無人地帯での立入管理措置のうち補助者の配置や看板の設置等を不要とした目視外飛行 )。
加えて目視外飛行の事前申請も不要となる( 但し事前申請を不要にするには、型式認証機体で機体認証を取得することに加えて、技能証明と、飛行マニュアルの作成などの安全確保措置が必要とされる / また現段階で、VTOL型ドローンの技能証明には「回転翼航空機(マルチローター)」と「飛行機」の両方の資格が求められる )。
同社では、型式認証取得により長距離・広範囲の飛行が可能な特徴を活かしたVTOL型ドローンによる河川や砂防堰堤などのインフラ点検や調査などの利用範囲がさらに広がることを見込んでいる。※エアロセンスは同機体について、通常運用時、非常運用時に限らず固定翼の手動操縦は必要ないことから、技能証明取得の簡略化を働きかけ中としている。
エアロボウイング AS-VT01K 諸元情報
- 外形寸法:215 x 124 x 42 cm (プロペラ含まず)
- 機体重量(バッテリー含む):9.2kg
- 最大離陸重量:10.2kg
- 最大積載可能重量:1kg
- 飛行可能時間:40分(ペイロード1kg積載時)
- 最大飛行距離:50km (ペイロード1kg積載時)
- 最高速度(対気速度):27.8m/s (100km/h)
- 巡航速度(対気速度):18m/s (65km/h)
- 最大バンク角:40°
- 飛行可能風速:10m/s *
- 動作保証温度(バッテリー含まない):-5℃~40℃
- 飛行制御:飛行計画による自動航行
- FPVカメラ:2機搭載(前向き/下向き)
- 安全機能:
LED灯火(赤/緑/白)
簡単操作でのマルチコプター飛行への遷移
緊急時のマルチコプター飛行への自動遷移**
自動帰還(無線切断、バッテリー残量低下時)
自動着陸(無線切断、GPS異常、バッテリー残量低下時) - フライトコントローラ:自社製フライトコントローラ
- センサー:2周波GNSS、IMU、TOFセンサー(下向き)、対気速度センサー(ピトー管)、気圧センサー
- GNSS:GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo
- 機体制御無線:2.4GHz、LTE
- 2.4GHz 電波到達距離:見通し1500m(通常版)、見通し5000m(ハイパワー版)***
- LTE通信モジュール:標準搭載(KDDIもしくはNTTドコモに対応)
- 型式認証:第二種型式認証
- 生産国:日本
* 固定翼飛行時
** 機体の姿勢が大きく崩れた時、高度が低下した時に自動遷移する
*** ハイパワー版は第三級陸上特殊無線技士の資格が必要となる
最後にエアロセンスは、2024年6月5日~7日に幕張メッセで開催されるJapan Drone 2024に出展し、新型エアロボウイング(AS-VT01K)を展示する。
Japan Drone 2024出展に係る詳細は以下URLの通り
https://aerosense.co.jp/media/pressrelease/20240521_pressrelease