トラック、バス、建設機械、海洋・産業向けソリューションなど、北欧を中核に欧州の輸送産業を支えるABボルボ( Aktiebolaget Volvo )は8月21日( スウェーデン・ヨーテボリ )、同社のカール・ヘンリック・スヴァンバーグ氏( Carl-Henric Svanberg )が、ABボルボ取締役会会長の再選を辞退したことを発表した。なお同氏は、来たる2024年3月に開催される年次総会まで、ABボルボの取締役会長に留まる。( 坂上 賢治 )
ここで改めて振り返ると同氏は、去る2012年4月にABボルボの取締役会長に就任。同氏が会長を務める期間に於いて、ボルボ・グループは輸送ソリューションの世界で主導的な地位を確立。自らの収益性を高めつつ、地球環境への貢献にも積極的な役割を果たして来た。
スヴァンバーグ氏は、「本日、私はABボルボの取締役会に、来年の年次総会に合わせて辞任する意向を伝えました。これにより来たる2024年3月を以て私は会長職から退くことになります。
これまでの自身の足取りを振り返ると、12年間という長きに亘って会長職の任を得られたことは大変光栄なことであり、これまでの経営陣並びにボルボ・グループ10万人超の全従業員の貢献を大変誇らしく思います。
なお当社は引き続きネット・ゼロに向けた事業労変革を推し進め、取締役会並びにマーティン・ルンドシュテット最高経営責任者が経営陣と共に、ABボルボの更なる変革に向けて主導的な役割を果たしてくれることでしょう。
そんな企業躍進への流れに期待しつつ、私は2024年の春の退く日に至るまで、引き続き真摯にABボルボへの貢献を務めていきます」と語った。
これに対してABボルボ取締役委員長のパー・ボーマン氏は「スヴァンバーグ氏は、来年の年次総会に合わせて辞任する意向を当取締役会へ伝えましたが、これまでの彼の長年に亘る当社への貢献は、株主のみならず、企業を超えた産業界に関わる全てのステークホルダーからも高く評価されています。我々は、彼の退任を惜しみつつも、直ちに後任探しを始めなければなりません」と述べた。
ちなみにカール・ヘンリック・スヴァンバーグ氏(1952年5月29日生まれ)は、リンシェーピング工科大学で応用物理学の修士号を取得し、ウプサラ大学で経営学の学士号を取得。更にルーレオ工科大学とリンシェーピング大学で名誉博士号を取得している。
直近の経歴では、2003年から2009年まで通信会社エリクソンのCEO職。2009年にBP取締役会に加わり、2010年から2018 年までの8年間BP会長を務めた。