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2023年9月5日【事業資源】

ABボルボの最量販トラック、FHが30周年

坂上 賢治

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ABボルボ( Aktiebolaget Volvo/スウェーデン・ヨーテボリ )傘下のボルボ・トラックスは、同社史上で最も売り上げたトラック車両〝ボルボFH〟 が発売されてから9月4日( 現地時間 )で30年の節目を迎えたことを公表した。( 坂上 賢治 )

 

この同社の旗艦モデル〝FH〟は、独自のハードウエア設計による先駆的な安全機能への拘りを背景に、世界約80の市場に向けて、約140万台の車両を送り出してきたという。

 

そのクルマづくりについてボルボ・トラックスで長距離車両の開発マネージャーを務めるイルバ・ダーラー・シュテット氏は、「今となって改めて30年前を振り返ると初代のボルボFHは、現代のトラックの概念を完全に塗り変えた革新的なモデルでした。

 

 

それ以来、当社はFHを介してトラック輸送の新たな基準を打ち立て、通算5世代に亘って新たなクルマを世に送り出してきました。

 

その際の当社の〝成功の方程式〟は、お客様とドライバーに対して目に見えるメリットを提供するために〝常に最新テクノロジー〟を取り入れ続けることにありました。

 

その努力に対する褒美として我々のFH は〝インターナショナル・トラック・オブ・ザ イヤー( IToY/欧州の商用車ジャーナリスト24人によって選ばれる欧州の輸送業界で最も名誉ある栄冠 )〟に唯一3回も選ばれており、それを我々は非常に誇らしく思っています」と目を細めた。

 

 

それゆえFHは、ボルボ・トラックスによると名実共に欧州の輸送産業界で大きな功績を残したクルマであるとしており、同社のロジャー・アルム社長は、「ボルボFHは、安全性・製品品質・環境への配慮に腐心しつつ、1993年に世に送り出して以来、常に顧客視点の考え方を貫くことにより欧州市場でデファクトスタンダードとなった車両です。

 

そのクルマづくりは、厳寒の自然から酷暑の市街地に至るまで、走行する環境を問わない懐の深いシャーシづくりから取り組み始め、パワートレインには新設計の12リッターエンジンを開発して搭載。

 

キャブデザインは、燃費に直結する優れた空力性能を備えるべく磨き込み、そうした結果からドライバーに対する疲労軽減にも応えられるクルマとなりました。

 

 

そうして一心に磨き続けたFHシリーズの開発に賭ける想いは、車両の初リリース後も衰えることなく、以降30年間に亘って燃費・安全・快適性・生産性に係る改善を愚直に繰り返してきました。

 

そんな30年にも亘る革新だらけのマイルストーンには、運転席エアバッグ、自動ギアボックスソリューションI-Shift(アイ・シフト)、楽なステアリング操舵と優れた操縦性を両立させるボルボ・ダイナミック・ステアリングなど枚挙に暇がありません。

 

エクステリア面でも、ドライバーの直方視界を向上させるスリムデザインのバックミラー、個性的な外観を演出するV字型ヘッドランプなど、様々な部位や機能として華開いています。

 

 

そんなFHは、直近では昨今の気候変動問題を解決するための〝炭素中立の取り組み〟にも至り、結果、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、二次電池+電動モーターと各々の時代に沿って、多様なパワーユニットが開発・搭載されてきたことも、今となっては心から誇りに思います。

 

FHは、これまでも、そしてこれからも、輸送ソリューションに於けるイノベーションリーダーであり続けます」と30年の足跡を振り返り誇らしく語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。