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2022年9月7日【エネルギー】

ABボルボ、大型BEVトラックで鉄鉱石輸送に取り組む

坂上 賢治

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ボルボトラックスが 74トンの電気トラックで化石燃料を使用しない鉄鉱石輸送を実証

 

ABボルボ傘下のボルボトラックス(Volvo Trucks)と採掘会社のカウニス・アイアン社は9月6日(北欧時間)、鉄鉱石の輸送を化石燃料に頼らないものにするべく大型BEVトラック(74トン)を使用した鉱石輸送の実証テストに取り組んでいると発表した。( 坂上 賢治 )

 

同プロジェクトは、先のカウニス・アイアン社、ボルボトラックスの車両販社ウィストラスト&バス(Wist Last & Buss)及びEVトラックの充電インフラストラクチャをサポートするエネルギー会社のバッテンフォール(Vattenfall)の共同事業だ。

 

カウニス・アイアン社は、このプロジェクトの成功を視野に5億SEK(5億クローナ/66億円) を投資する。今回の実証区間は、北極圏に近接するスウェーデン北部・パヤラ市のカウニスヴァーラ(Kaunisvaara)と、ピトカヤルヴィ(Pitkäjärvi)間の160キロメートルの道路区間で昨年の冬期から行われている。

 

成功すれば化石燃料を100%使用しないカーボンフリー輸送が実現する

 

同社では通常、この区間はディーゼルエンジンを搭載した大型トラックを使用して鉄鉱石を輸送しており、その場合は30台の90トンのセミトレーラーが24時間体制で稼働する。今後は、これを重輸送用のBEVトラックに切り替える構え。これが成功すれば同区間に於いては化石燃料を100%使用しないカーボンフリー輸送が実現する。

 

当地は先の通り北極圏の近接地域であり、ここで稼働するEVトラックはマイナス30度超の極寒地で稼働させなければならないが、ボルボトラックスのFMXエレクトリックトラックは、同環境下での初回の実証テストを乗り切った。

 

この取り組みについてカウニス・アイアン社でロジスティクス部門を担うラース・ウォールグレン氏(Lars Wallgren)は、「当社の目標は、2025年迄に化石燃料を100%使用しない輸送を実現する事です。

 

極寒の地の鉄鉱石輸送はBEVトラックにとっては想像を絶する難関

 

私たちは現在、大型BEVトラックを活用してこの目標を達成するべく懸命に取り組んでいます。このプロジェクトが成功すれば、現在の生産量で年間約1万5,000トンの二酸化炭素排出量を削減できます。

 

今回の実証テストの成功を受けて、次フェーズでは2023年迄に90トン規模での商用実証を実現させていく計画です」と話している。

 

一方、2019年にBEVトラックの商用生産を開始したボルボ・トラックでは、「野心的なサステナビリティ目標を掲げた同プロジェクトに参加出来た事を大変光栄に思います。

 

カウニス・アイアン社の鉄鉱石輸送は、その輸送規模、極寒の気候など、BEVトラックにとっては想像を絶する難関です。しかし当社は電動トラックのマーケットリーダーとして、この計画を成功させるべく、今後も積極的に取り組んでいきます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。