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2023年4月14日【SDGs】

エネ企業7社他、今治拠点のアンモニア化検討協議会設立

NEXT MOBILITY編集部

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四国電力と太陽石油、大陽日酸、マツダ、三菱商事、波方ターミナル、そして三菱商事クリーンエナジーの7社は4月14日、愛媛県今治市にある波方ターミナル(*1)のクリーンエネルギー供給拠点化を検討するため、三菱商事と四国電力を共同事務局とする「波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会」(以下、協議会)を設置することで合意したと発表した。

 

なお、この協議会には、オブザーバーとして愛媛県をはじめ、今治市、西条市、新居浜市、四国中央市も参画すると云う。

日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言以降、火力発電所でのアンモニア混焼利用や、一般産業での熱電利用、水素ステーションでのアンモニアクラッキング技術(*2)など、アンモニアに対する期待が高まっている。

 

国内外から持ち込まれる年間約100万トンのLPG・石油類製品を扱う波方ターミナルは、40年間に亘ってエネルギー拠点として活動してきた実績と経験に加え、アンモニアタンクに転用可能な複数の大規模低温LPGタンク(45,000トン/基)や、大型船を着桟できるバース等、地域のアンモニア需要に早期に対応できる設備を備えている。

 

この波方ターミナルについて、上記7社は、四国・中国地域でのアンモニア利活用の促進や、効率的なサプライチェーンの構築実現のためのハブ供給拠点として重要な役割を担うことができると考え、クリーンエネルギー供給拠点化を検討するための協議会を、この度設置した。

 

協議会では、既存のLPGタンクをアンモニアタンクに転換し、2030年までに年間約100万トンのアンモニアを取り扱うハブターミナルにすることを想定。スケジュールや法規制上の課題の整理、効率的な波方ターミナルの活用、需要拡大策等について検討。官民一体となって波方ターミナルのクリーンエネルギー供給拠点化の実現を目指し、地域のクリーンエネルギー新産業の創出、ひいては地域経済の持続的な発展に貢献していきたいとしている。

 

*1:三菱商事および一部石油関連設備を太陽石油が保有、波方ターミナルが運営。
*2:アンモニアから水素を取り出す技術。

 

 

[各社概要・協議会との関係]

 

<四国電力>
– 創立:1951年
– 本社:香川県高松市丸の内2番5号
– 代表者:取締役社長 長井 啓介
– 事業内容:

発電、販売、送配電の電気事業に加え、情報通信事業や国際事業を中心に展開。

– 協議会との関係:

火力発電所の低炭素化・脱炭素化を目指し、アンモニア導入の可能性に向けて検討。

 

<太陽石油>
– 創立:1941年
– 本社:東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
– 代表者:代表取締役社長 岡 豊
– 事業内容:

四国で唯一の製油所を有する石油元売会社。石油の輸入から石油製品及び石油化学製品を製造・販売。西日本を中心にSOLATOブランドでサービスステーションを展開。

– 協議会との関係:

水素ステーションを始めとした新たな事業の検討に加え、四国事業所等でのアンモニア・水素の利活用を検討。

 

<大陽日酸>
– 創立:1910年
– 本社:東京都品川区小山1-3-26
– 代表者:代表取締役社長 永田 研二
– 事業内容:

酸素・窒素・アルゴン等各種産業ガス、LPガス、医療用ガス、特殊ガスの製造・販売及び溶断機器・材料、各種ガス関連機器、空気分離装置の製造・販売、電子部品の組立・加工・検査、設備メンテナンスを展開。

– 協議会との関係:

アンモニア分解水素の精製技術と、水素ステーションの技術・知見の活用を検討。

 

<マツダ>
– 創立:1920年
– 本社:広島県安芸郡府中町新地3番1号
– 代表者:代表取締役社長 丸本 明
– 事業内容:

乗用車の製造、乗用車・トラックの販売などを展開。

– 協議会との関係:

三菱商事クリーンエナジーと共にマツダ工場内に有する自家発電設備の低・脱炭素化の取り組みとしてアンモニア活用を検討。

 

<三菱商事>
– 創立:1954年
– 本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
– 代表者:代表取締役社長 中西 勝也
– 事業内容:

天然ガス、総合素材、化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループに産業DX部門、次世代エネルギー部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開。

– 協議会との関係:

アンモニアの製造事業及びトレーディング事業に携わり、日本を含むアジアへの安定供給に貢献。世界各地でのアンモニア製造事業開発に取り組み、本邦等向けのサプライチェーン構築を検討。

 

<波方ターミナル>
– 創立:1980年
– 本社:愛媛県今治市波方町宮崎甲600番地
– 代表者:代表取締役社長 鈴木 康倫
– 事業内容:

受託した液化石油ガス・石油化学品・石油製品などの受入業務、貯蔵管理業務、船舶払出業務、ローリー車陸上払出業務及び分析業務並びに、波方国家石油ガス備蓄基地の管理運営などを展開。

– 協議会との関係:

エネルギー供給拠点として、LPG・石油類製品を西日本全域に供給。アンモニアへ転用可能な大規模低温LPGタンク、大型船着桟バース等を保有し、クリーンエネルギー供給拠点化を検討。

 

<三菱商事クリーンエナジー>
– 創立:2022年
– 本社:東京都千代田区丸の内二丁目6番1号
– 代表者:代表取締役社長 藤井 隆男
– 事業内容:

地域と共生・共創を図りつつ、陸上風力・太陽光・水力等の再生可能エネルギー電源の開発・運営並びに顧客へのソリューション提供を展開。

– 協議会との関係:

マツダと共にマツダ工場内に有する自家発電設備の低・脱炭素化の取り組みとしてアンモニア活用を検討。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。