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2017年11月3日【オピニオン】

トルコ国内企業5社、初の自国製乗用車の開発・生産を目指して合弁会社立ち上げへ

坂上 賢治

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なお今プロジェクトに参画する5社のうちアナドール・グループは、いすゞ自動車と伊藤忠商事による「アナドールいすゞ」ブランドで輸送用貨物自動車の製造を共同運営しており、かつ韓国メーカー起亜の販売代理店と法人レンタカー会社も保有している。

また同国内で貨物車両を製造するBMCは、既に防衛産業用車両については75カ国への輸出実績を持っている。その他、参画企業では繊維、エネルギー、エレクトロニクス、通信分野など、国内のリーディングカンパニーが揃っている。

 

ちなみに同国内に於ける自動車販売全体の約6割が乗用車。その内訳は、日本の小型車にあたるBセグメント、またはCセグメントにあたる1.3~1.6L車が売れ筋。

残り4割は商用車となっている。メーカー別の勢力図では、ルノーが大きなシェアを占有し、これにヒュンダイ、フィアット、トヨタ、フォード、ホンダ、オペルと続いている。

 

このうち国内生産に関してはルノー、フィアットの2ブランドが牽引する。一方、商用車ではフォードも強く、フィアット、フォルクスワーゲン、ルノー、ヒュンダイに等で占められている。乗用車市場における輸入車の比率は7割に迫る勢いだ。

自動車全体の輸出入数値に関しては、年間で延べ200万台を国外へ輸出。約75万台を海外から輸入している。

 

同国の自動車販売業者協会(ODD)によると、2016年のトルコの国内自動車販売は、乗用車と軽商用車を合わせた総販売台数で前年比1.6%増の98万3,720台。生産・輸出共に過去最高値を記録している。

但し2016年11月の増税と通貨トルコ・リラ安の影響により2017年の販売台数実績は現段階では不透明だ。併せて独自の国産自動車の開発・生産となると、決して大きくはない国内市場だけで事業を充足する規模にはならず、高級車または普及車かで戦略の照準を定め、国外に市場を開拓する必要性が生じるだろう。

 

一方で、経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は、国内人口が比較的若い人口構成比であること。そして直近または隣接するインドネシアやロシアなど他の新興国に比べ、比較的政情が安定しているところが強みとなっている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。