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2023年4月6日【企業・経営】

横浜ゴム、三島工場でMSタイヤ生産を再生エネ電力に

坂上 賢治

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三島工場の全景俯瞰

 

横浜ゴムは今年1月、三島工場のモータースポーツ用タイヤ生産ラインで使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたと4月6日に明らかにした。

 

今後は2023年は国内外の様々なモータースポーツに於いてカーボンニュートラルに貢献するタイヤを供給していく。

 

導入した再エネ電力は、東京電力エナジーパートナーが調達するトラッキング付きFIT非化石証書(固定価格買い取り制度の適用を受ける太陽光、風力、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギー由来の証書)と再エネ指定の非FIT非化石証書(固定価格買い取り制度の適用を受けない再生可能エネルギー由来の証書で大型水力発電など)が付与されたもので、使用電力は実質的に100%再生可能エネルギー由来かつCO2排出量ゼロとみなされる。

 

100%再生可能エネルギー電力で生産し今季からスーパーフォーミュラに供給するタイヤ(一例)

 

三島工場は横浜ゴムが供給するモータースポーツ用タイヤを生産しており、全日本スーパーフォーミュラ選手権(日本)やSUPER GT(日本)、ニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(米国)など国内外のトップカテゴリーに供給している。

 

今回の取り組みは、カーボンニュートラルの達成とモータースポーツの持続可能な進化・発展を目指す活動の一環として実施したもの。

 

横浜ゴムは「2050年にCO2排出ネットゼロ」を目標に掲げており、生産拠点のカーボンニュートラル化、再生可能エネルギーの自給・調達や省エネ活動、植樹や生物多様性保全によるネイチャーポジティブなどを推進している。

 

また環境活動ではカーボンニュートラルの他に、サーキュラーエコノミーとして「2050年にサステナブル原料100%」を目標としている。

 

これらを踏まえ同社は、モータースポーツ活動でもカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを目指した様々な取り組みを加速していく構え。

 

その成果のひとつが今シーズンのスーパーフォーミュラに供給するタイヤ。ドライ用タイヤは従来タイヤと同等のグリップ性能を維持しながら、サステナブル素材比率33%(天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど各種自然由来の配合剤を活用するなどで原材料全体の約33%をサステナブル素材とした)を達成。

 

4月の開幕戦からドライ用タイヤ、7月からはウェット用タイヤも供給する予定で、今後もサステナブル比率を高めたタイヤ開発を継続していく。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。