横浜ゴムは12月16日、中国杭州市の乗用車用タイヤ新工場の起工式を開催した。式には杭州市の姚高員市長をはじめ、多くの政府関係者や地元関係者が出席した。また横浜ゴムからは山石昌孝代表取締役会長兼CEO、清宮眞二代表取締役社長兼COOなどが出席した。
新工場は2024年度から2026年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)のタイヤ消費財の成長戦略に掲げた「1年工場」の第一弾であり、今回の起工式を機に「1年工場」の建設がスタートする。
起工式に参加した杭州市政府高官と横浜ゴム関係者。写真中央が杭州市の姚高員市長。右隣が横浜ゴムの山石昌孝代表取締役会長兼CEOと清宮眞二代表取締役社長兼COO
「1年工場」は横浜ゴムが今まで培ってきたノウハウだけでなく、現地で実績のある協力企業のノウハウも取り入れることで、低コスト・高効率生産を実現し、市場競争力の高い工場を着工から1年で立ち上げることを目指す。
起工式で挨拶に立った山石代表取締役会長兼CEOは、工場建設に関わる多くの尽力に謝意を表すと共に「中国の自動車産業が目覚ましく成長する中、新工場建設は大きな成長の機会と考えています。最新設備に高度な自動化・デジタル化を取り入れた最先端工場を1年で立ち上げ、高品質なタイヤの提供と地域発展への貢献を早急に進めてまいります」と述べた。
新工場は今回の移転を機に、中国市場における今後のさらなる需要増を確実に取り込むため、同じ杭州市内で稼働中の既存工場に比べ生産能力を約300万本増強する。生産能力は年産900万本で、2024年第4四半期に着工し、2026年第2四半期からの本格生産開始を計画。
具体的には、急拡大している新エネルギー車向けタイヤを中心に、グローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」などのハイインチタイヤの生産を強化する。
横浜ゴムは「YX2026」のタイヤ消費財の成長戦略に於いて「1年工場」への挑戦の他、高付加価値品比率の最大化を掲げ、その主力である「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」、そして18インチ以上のタイヤの拡販に取り組んでいる。また各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を推進していくと話している。
新工場の概要
会社名:杭州銭塘優科豪馬輪胎有限公司
所在地:中国浙江省杭州市銭塘新区
事業内容:乗用車用タイヤの生産
敷地面積:約30万平方メートル
生産能力:900万本/年
生産開始(予定):2026年第2四半期