横浜ゴムは1月17日、農業用機械向けタイヤ等のオフハイウェイタイヤ(OHT)の生産販売子会社であり、主にバイアスタイヤを製造している〝Yokohama TWS Czech Republic〟(チェコ共和国)のプラハ工場の閉鎖を発表した。同工場で生産している製品の生産は、グループの他の工場に移管すると云う。
プラハ工場閉鎖への経緯
横浜ゴムグループの主要な生産販売子会社のひとつである〝Yokohama TWS(Y-TWS)〟では、周期的な需要変動や顧客ニーズの変化といったOHT市場を取り巻く課題に対処するため、効率性とサービスレベルの向上、長期的な競争力の強化に注力しており、そのための戦略的な取り組みとして「タイヤの性能品質や持続可能性を意識した積極的な投資」や「顧客サービスレベルを高めるためのデジタル化の強化」、そして「生産性を高めるための生産拠点の最適化」の3つを推進。今回、この取り組みの一環として、2025年6月末までにチェコ共和国・プラハ工場での生産を停止することを決定した。
同工場は、主にバイアスタイヤを製造している、横浜ゴムグループがグローバルで展開する30以上の生産拠点のひとつであるが、90年以上前に操業を開始したため、古い生産設備と旧式の生産方式に依存しており、生産性と効率性に大きな課題を有していたと云う。
同社では今後、工場閉鎖に向けて協力企業や取引先など関係各所と真摯に協議すると共に、工場閉鎖の影響を受ける270名の従業員に必要な支援を行っていくと云う。
横浜ゴムグループは、OHT市場でのシェア拡大に向けて成長分野への投資を積極的に推進しており、既に農業用機械向けタイヤでは世界トップ、産業・港湾用車両向けでは2位のシェア(自社推定)を獲得。持続的な収益性と長期に渡る将来性を確保するため、今後もグループ全体で最適な生産体制の構築を進めていくとしている。