天然ゴムセミナーの様子
横浜ゴムは先の6月、タイ天然ゴム公社( RAOT / Rubber Authority of Thailand )・スラタニ支局( MOAC / Ministry of Agriculture and Cooperatives:タイ農業・協同組合省管轄下の組織 )と共同で、タイ国内の天然ゴム農家を対象に、天然ゴムの品質および生産性向上のためのセミナーイベントを開催した。
横浜ゴムが、タイの天然ゴム農家を支援するべく、セミナーイベントを実施するのは2020年の初開催から数えて7回目となる。今回のセミナーには、スラタニ地区の70戸の農家が参加した。
そんなセミナーイベントでは、横浜ゴムの天然ゴム加工会社のY.T. Rubber Co., Ltd.(Y.T.ラバー)の社員、タイ天然ゴム公社の職員、更に横浜ゴムの社員も参加し、約5時間に亘り、〝天然ゴムの苗木の選択や植え方〟〝肥料を与えることの目的と効果〟〝天然ゴムへの異物混入防止の重要性〟などについての理解を深めた。
参加者からは、「今までは(天然ゴム農業について)経験値に頼っていたが、今回のセミナーで、天然ゴムの品質や生産性を高めるための新たな知識を得ることができ、非常に良い経験となった」などの声が寄せられたという。また参加者には、タイ天然ゴム公社の貴重な知見を反映させた新たな肥料を1農家あたり250kgを無償提供した。
提供された肥料の前で記念撮影をする農家の方々
横浜ゴムは2020年1月、自社の「持続可能な天然ゴムの調達方針」に基づき、タイ天然ゴム公社と、〝(1)天然ゴム農家の経営支援を行うこと〟〝(2)サプライチェーンの透明性と健全性を確保すること〟そのための〝(3)トレーサビリティの向上に協力していくこと〟を包括した覚書を締結した。
セミナーイベントは、そんな覚書に基づき、農家支援の一環としてY.T.ラバーが立地するスラタニ地区で開催を重ねている。また肥料の提供を受けた農家からは、天然ゴム物性や生産性についての追跡調査への協力も得られているとした。
横浜ゴムは、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム( GPSNR / Global Platform for Sustainable Natural Rubber )に創設メンバーとして参画。加えて2021年9月には、従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」も改定して、GPSNRの活動との連携を強めている。
今回のセミナーイベントは、そうした上記方針に掲げられた「サプライチェーンに関わる方々への支援」を反映したもので、今後も引き続き、先の活動指標に沿った取り組みを実施し公表していく構え。
また、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも積極姿勢を示しており、その一環として天然ゴム素材を包括するサステナブルな原料調達に向けた活動を推進している。