ヤマハ発動機は1月19日、マリン電動推進機メーカーの「Torqeedo (トルキード社)」を傘下に持つドイツ・Deutz社との間で、トルキード社の全株式を取得する株式売買契約を締結したと発表した。なお、株式取得は、競争法やその他の法令上必要なクリアランス・許認可等の取得が前提となる。
トルキード社は、電動船外機や電動船内機、バッテリー、各種アクセサリーなど豊富な製品群を取り扱うマリン電動領域のパイオニアブランド。欧州を中心に小型電動市場で販売を伸ばしており、成長を継続。また、電動モーターやプロペラ、電源系統に関する多くの特許を保有し、次世代環境技術の研究開発能力・量産設備・開発リソースも有していると云う。
<Torqeedo(トルキード)社の概要>
– 設立:2005年
– 所在地:ドイツ・バイエルン州ミュンヘン
– 代表者:CEO Fabian Bez
– 従業員数:約230名
– 事業概要:電動の船外機、船内機、PODドライブ、ハイブリッドシステム、バッテリー、アクセサリーの製造・販売。
ヤマハ発動機は、今回のトルキード社の買収を通じて、中期経営戦略として推進する「マリン版CASE」戦略の”Electric(エレクトリック)”分野の開発力を強化を目指すと共に、マリン業界でのカーボンニュートラル対応を加速させ、早期の小型電動推進機ラインナップを構築。
さらには、長年培ってきた艇体設計技術やマリンエンジン技術などのノウハウを組み合わせることにより、中型電動船外機にもシナジーを生み出し、成長する電動推進船市場に於けるリーディングカンパニーを目指すとしている。
また、「マリン版CASE」戦略の推進により、今後も付加価値の高い魅力的な商品・サービスを市場に提供することで、長期ビジョンに掲げた「信頼性と豊かなマリンライフ」を軸にした「海の価値をさらに高める事業」の実現を目指すとしている。
※タイトル画像:トルキード社の電動船外機「Travel XP」。