広い倉庫内の移動・作業用モビリティが、誰もが働き易い環境を整備
WHILLは8月28日、NIPPON EXPRESSホールディングス傘下の日本通運が推進する「誰にもやさしい倉庫(NX Universal Harmonious Work Warehouse)」プロジェクトの一環として、同社・埼玉支店加須倉庫にWHILL社が開発・展開する免許不要の近距離モビリティWHILL(ウィル)を導入した。
少子高齢化などに伴い労働力不足が課題に挙がる中、広い倉庫内の移動・作業用モビリティとしてウィルを活用することで、足腰に障害がある方やシニア世代なども安心かつ快適に働きやすいアクセシビリティ環境を整備。近距離移動の観点からすべての人が活躍できる社会の実現を目指す。
日本通運によると、物流業界は少子高齢化に加え、2024年4月法改正によるトラックドライバーに対する時間外労働規制の強化などを受け、トラックドライバーや倉庫内スタッフなどの将来的な労働力不足への対応が急務となっている。
同社ではこうした背景を受け、就労者の作業負荷を軽減する先進的なロジスティクスロボットや作業補助機器の導入を推進し、職場環境の整備に向けて本取り組みが進められている。
WHILL社は「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、日常から一時利用に至るまで、快適に近距離移動できるプロダクトとサービスを開発・展開。
高齢化や多様化の加速を背景に「徒歩」をカバーする移動ニーズが高まる中、ウィルのユーザーはもちろん、ウィルを一時的に利用できる場所も続々と広がり、その活用の幅は多岐に亘るという。そうしたなかで安心快適を追求した事業展開の実績や、実現したい方向性が合致したことなどから、両社は協業に至った。
WHILL社によると、日本通運の倉庫で採用されたモデルはプレミアムモデルの「WHILL Model C2」で、オムニホイールなどで裏打ちされた安定感と小回りの高さが特徴である他、人間工学に基づいた設計により長時間乗っていても疲れにくい乗り心地を実現していると謳う。
採用されたWHILL Model C2
就労中は、最後まで快適に作業をしていただきやすいほか、電動車椅子規格で「歩行者」扱いとなるため、他の倉庫スタッフとも歩調を合わせた業務遂行が可能。また、ウィルと自動ロボットなどの無人搬送機を連携させ、倉庫内の業務効率化も図っている。
なお今後は、ウィルなどの導入が複数拠点に展開されると共に、WHILL社としてもこれまでのノウハウや知見を活かし、電動モビリティプラットフォーム事業などを活かし倉庫内作業に於いて、より使いやすい形を目指したモビリティ開発を日本通運と進めていく方針としている。