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2024年6月5日【事業資源】

ボルボ・カーズ、ピュア電動車EX90の米国生産を開始

坂上 賢治

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ボルボ・カーズは米国内のチャールストン工場に於いて6月5日( 米国発 )、自社旗艦EV「ボルボEX90」の生産を開始した。当地でラインオフする記念すべき電動一号車はデニム・ブルーを纏った当地専用車両となる。そんな7人乗りSUVのEX90は、自社の次世代のEV技術が反映されており、その後続距離は最大600km。顧客への最初の納車時期は今年後半になる予定という。( 坂上 賢治 )

 

ここで一旦、過去を振り返ると、このEX90は、スウェーデン・ストックホルムで2022年11月9日、特設のーム型会場で、華々しい発表披露と伴いリリースされた。その壇上では、他社メーカーに先駆けて脱炭素企業で目指すと謳い、乗員1人ひとりの個人的体験の提供を目指すべく、「目には見えない安全保護( センシング技術 )」を示すLiDAR( ライダー )を逸早く採用するなど、最新鋭のエレクトロテクノロジーを果敢に追求。これまでの100年近くの歴史を覆し、これからの未来のボルボ車のありかたを示すものとされた。

 

 

翻って今回、同社最高経営責任者のジム・ローワン氏は、「当社初のコア・コンピューティング・テクノロジーを組み込んだEX90は、当ブランドに於いて過去から積み重ねてきた歴史的蓄積のパラダイムシフトを象徴するクルマになりました。従ってEX90は、自社内のBEVラインナップを拡大しただけの存在に留まりません。

 

というのは、そもそも我々は約70年前から米国内事業を展開。その足跡のなかでEX90という製品は、動物由来の素材の追放や、リサイクル可能な不在を積極的に取り入れるなど当社にとって、〝持続可能性の追求〟、〝人間中心のクルマづくりの幕開け〟となったクルマであるからです。

 

そのEX90が遂に米国内で製造できたことを喜び、サウスカロライナ州の従業員達とその成果を共有し、米国全体に事業を介して社会貢献できることをとても嬉しく思います」と誇らしく語った。

 

 

ちなみに今回、EX90がライオフされたチャールストン工場は、米国でも最も歴史のある都市の ひとつであるチャールストン郊外の区画に大規模投資を行い、ボディ工場と塗装工場を大幅に改装・拡張。最先端のバッテリーパック生産ラインも新設された。

 

現在、同工場では EX90とS60セダンをコンスタントに輩出しており、年間では最大15万台の自動車を製造する能力を持つに至っており、それは米国市場で47州・281のディーラーネットワーク網の構築を、過去70年に亘って真摯に取り組んできた自社の長期的な取り組み姿勢を身を以て反映させたものだと締め括っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。