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2024年11月26日【事業資源】

ヴァレオとローム、次世代パワーエレクトロニクス分野で協業

坂上 賢治

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写真は向かって左から、ロームセミコンダクターヨーロッパ社長のウォルフラム・ハルナック氏、ヴァレオのパワーモジュール購買担当副社長のクリストフ・シュヴァリエ氏、ヴァレオのパワーインバータプラットフォーム担当ディレクターのニコラス・ゲレズ氏

 

ァレオグループとローム・セミコンダクターの2社は、2022年頃から協力関係を保ち続け、近年はEVやPHEVの推進力を担うモーター並びにインバーター製品の効率化向上をテーマに、互いが保有するパワーエレクトロニクス領域のノウハウを持ち寄ることで、次世代パワーモジュールに係る技術交流を重ねてきた。

 

そんな両社は11月26日、これまでの技術交流の成果を具体的な形とするべく、ロームから「 TRCDRIVE pack™」を、ヴァレオ製次世代パワートレインソリューションへ提供することを決めた。

 

このTRCDRIVE pack™は、xEV用トラクションインバータ向けに開発された2 in 1 SiC(シリコンカーバイド)モールドタイプモジュールで、高電力密度と独自の端子構成を特徴に小型化を実現。製品の高効率化を図りながらも組み立て工数を削減。最先端のトラクションインバータが求める複合的な課題を一気に解決できる製品となっている

 

これに加えて、ヴァレオ側が持つ独自の筐体設計ノウハウ、コンポーネント技術、冷却などの熱管理に係る専門知識を、このローム製SiCモールドタイプモジュールと技術融合させることで、発熱の低減、SiCパッケージの全体的な信頼性の向上が実現できるなど大きな相乗効果を産む。

 

結果、両社の強力体制は自動車用パワーエレクトロニクス分野で、モーターインバータの性能と効率を飛躍的に向上させる可能性が高くなり、双方のパッケージ製品の信頼性向上に貢献。コストパフォーマンスの改善にも繫がることから、世界規模の脱炭素社会の実現を後押しすると謳っている。

 

 

実際、今協力関係についてヴァレオのパワー部門でCEO兼グループエグゼクティブバイスプレジデントを務めるザビエル・デュポン氏は、「今回の技術交流は、ヴァレオのパワー部門にとっても、先進的かつ高効率なパワーエレクトロニクス技術の進展のための重要な一歩を示すものとなります。

 

ヴァレオとロームの協業は、次世代xEVインバータの効率性向上と小型化に繋がり、高電圧インバータで新たな業界標準を打ち立てることとなります。それは、より効率的で安価な電動モビリティの出現を加速させることに繫がるでしょう」と述べた。

 

 

これを受けてロームセミコンダクターヨーロッパでCEOを務めるウォルフラム・ハルナック氏は、「ロームのパワー半導体が、欧州の自動車産業をリードするヴァレオをサポートしていけることを嬉しく思います。ロームのTRCDRIVE pack™は、高い電力密度を実現することで電力効率の向上に大きく寄与します。

 

こうした進化は、航続距離の延伸、高速充電機能、そしてBEVやPHEV用の高性能かつリーズナブルなインバータを求める需要に応えるために不可欠なものです。今後もヴァレオとの協業を通じて、より高効率なパワートレインの開発に貢献してまいります」と結んだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。