インターステラテクノロジズ(IST)は1月7日、トヨタ傘下のウーブン・バイ・トヨタと資本・業務提携に合意。ウーブン・バイ・トヨタがリード投資家としてシリーズF ファーストクローズまでに約70億円を出資することが決まった。
シリーズFは今後、セカンドクローズでの調達も予定しているという。なお併せてウーブン・バイ・トヨタからインターステラテクノロジズへ取締役が派遣される見込み。インターステラテクノロジズとしては今後、トヨタのモノづくりの知見を取り入れ、高品質なロケットを低コストで量産可能な体制ほと転換していくと述べている。
今回、両社が資本・業務提携に至った経緯は、2020年頃から双方で人材交流を始めたことが切っ掛けとなった。以降、トヨタ自動車北海道、トヨタ車体を含め累計11名がインターステラテクノロジズー出向した。
今回の提携は、これらの継続的な人材交流を経て、より強固な戦略的提携の確立を目指すことに至ったもの。以降はロケットの量産化を視野に入れた原価低減やリードタイム短縮、量産体制の構築やサプライチェーンの強化、コーポレートガバナンスの強化に向けて共同で取り組んでいく構えという。
ちなみにインターステラテクノロジズは日本では初めて、ロケットと衛星通信による垂直統合型ビジネスを掲げてきた。多くの打上げ基数が必要な衛星通信事業はロケット会社が有する強みを最大化できる事業領域であり、例えば米国のSpaceX社は、衛星通信によるインターネットサービス「Starlink」事業により時価総額約55兆円にまで成長している。
インターステラテクノロジズが研究開発している衛星通信は、スマートフォンなどの地上端末と直接繋ぐことができる高速かつ大容量の次世代ブロードバンド通信を担えるものであり、ロケットと衛星通信による宇宙の総合インフラ会社に向けた取り組みは、「誰もが宇宙に手が届く未来」を実現するものとして当該事業を強力に推し進めている。
そうしたビジョンを掲げるインターステラテクノロジズとの協業について、ウーブン・バイ・トヨタ代表取締役 CEOの隈部 肇氏は、「トヨタはモビリティカンパニーへの変革に向けて、陸・海・空のモビリティに挑戦しており、トヨタグループの一員であるウーブン・バイ・トヨタも、モビリティの変革に取り組んでいます。
宇宙を通じて持続可能な地球の未来の実現を目指すインターステラテクノロジズとの人材交流を通して、移動の未来への想いを共有し、このたびロケットの量産化に向けて一緒に取り組むことができることをうれしく思います。
これまでトヨタグループがモノづくりを通じて培ってきた技術や知見などを活用いただきながら、インターステラテクノロジズとともに、モビリティにより人の可能性を拡げる社会を目指してまいります」と述べた。
対してインターステラテクノロジズ代表取締役 CEOの稲川 貴大氏は、「インターステラテクノロジズは2013年の事業開始当初から12年間、モノづくりとトライ&エラーの精神を大切にしてきました。
トヨタグループでモビリティの変革をリードするウーブン・バイ・トヨタは、当社がロケットを一点モノの生産から量産に耐えうるサプライチェーンへと昇華させ、〝誰もが宇宙に手が届く未来〟というビジョンを実現するためのベストパートナーであると考えています。2020年から継続している人材交流を経て、戦略的提携という形で今回ご一緒させていただけることを心からうれしく思います」と語っている。
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ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
所在地: 東京都中央区日本橋室町3-2-1
代表者: 代表取締役 CEO 隈部 肇
事業内容:モビリティの新技術・事業開発
https://woven.toyota/jp/
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インターステラテクノロジズ株式会社
所在地: 北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7
代表者: 代表取締役 CEO 稲川 貴大
事業内容:ロケットの開発・製造・打上げサービス、人工衛星の開発・製造・運用サービス
https://www.istellartech.com/