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2025年1月7日【事業資源】

IST、ウーブン・バイ・トヨタと資本業務提携に合意

坂上 賢治

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インターステラテクノロジズ(IST)は1月7日、トヨタ傘下のウーブン・バイ・トヨタと資本・業務提携に合意。ウーブン・バイ・トヨタがリード投資家としてシリーズF ファーストクローズまでに約70億円を出資することが決まった。

 

シリーズFは今後、セカンドクローズでの調達も予定しているという。なお併せてウーブン・バイ・トヨタからインターステラテクノロジズへ取締役が派遣される見込み。インターステラテクノロジズとしては今後、トヨタのモノづくりの知見を取り入れ、高品質なロケットを低コストで量産可能な体制ほと転換していくと述べている。

 

今回、両社が資本・業務提携に至った経緯は、2020年頃から双方で人材交流を始めたことが切っ掛けとなった。以降、トヨタ自動車北海道、トヨタ車体を含め累計11名がインターステラテクノロジズー出向した。

 

今回の提携は、これらの継続的な人材交流を経て、より強固な戦略的提携の確立を目指すことに至ったもの。以降はロケットの量産化を視野に入れた原価低減やリードタイム短縮、量産体制の構築やサプライチェーンの強化、コーポレートガバナンスの強化に向けて共同で取り組んでいく構えという。

 

ちなみにインターステラテクノロジズは日本では初めて、ロケットと衛星通信による垂直統合型ビジネスを掲げてきた。多くの打上げ基数が必要な衛星通信事業はロケット会社が有する強みを最大化できる事業領域であり、例えば米国のSpaceX社は、衛星通信によるインターネットサービス「Starlink」事業により時価総額約55兆円にまで成長している。

 

インターステラテクノロジズが研究開発している衛星通信は、スマートフォンなどの地上端末と直接繋ぐことができる高速かつ大容量の次世代ブロードバンド通信を担えるものであり、ロケットと衛星通信による宇宙の総合インフラ会社に向けた取り組みは、「誰もが宇宙に手が届く未来」を実現するものとして当該事業を強力に推し進めている。

 

そうしたビジョンを掲げるインターステラテクノロジズとの協業について、ウーブン・バイ・トヨタ代表取締役 CEOの隈部 肇氏は、「トヨタはモビリティカンパニーへの変革に向けて、陸・海・空のモビリティに挑戦しており、トヨタグループの一員であるウーブン・バイ・トヨタも、モビリティの変革に取り組んでいます。

 

宇宙を通じて持続可能な地球の未来の実現を目指すインターステラテクノロジズとの人材交流を通して、移動の未来への想いを共有し、このたびロケットの量産化に向けて一緒に取り組むことができることをうれしく思います。

 

これまでトヨタグループがモノづくりを通じて培ってきた技術や知見などを活用いただきながら、インターステラテクノロジズとともに、モビリティにより人の可能性を拡げる社会を目指してまいります」と述べた。

 

対してインターステラテクノロジズ代表取締役 CEOの稲川 貴大氏は、「インターステラテクノロジズは2013年の事業開始当初から12年間、モノづくりとトライ&エラーの精神を大切にしてきました。

 

トヨタグループでモビリティの変革をリードするウーブン・バイ・トヨタは、当社がロケットを一点モノの生産から量産に耐えうるサプライチェーンへと昇華させ、〝誰もが宇宙に手が届く未来〟というビジョンを実現するためのベストパートナーであると考えています。2020年から継続している人材交流を経て、戦略的提携という形で今回ご一緒させていただけることを心からうれしく思います」と語っている。

 

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ウーブン・バイ・トヨタ株式会社

所在地: 東京都中央区日本橋室町3-2-1

代表者: 代表取締役 CEO 隈部 肇
事業内容:モビリティの新技術・事業開発
https://woven.toyota/jp/

 

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インターステラテクノロジズ株式会社

所在地: 北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7
代表者: 代表取締役 CEO 稲川 貴大
事業内容:ロケットの開発・製造・打上げサービス、人工衛星の開発・製造・運用サービス
https://www.istellartech.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。