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2023年6月1日【企業・経営】

トヨタ、米国内のBEV生産と電池工場へ追加投資

坂上 賢治

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トヨタ自動車は6月1日、需要が拡大する米国市場でのBEVの供給拡大に向け、米国内のBEV生産工場の決定と、電池工場への追加投資を発表した。

 

まず米国初のBEV生産工場は、2025年から稼働予定としているToyota Motor Manufacturing Kentucky, Inc.(TMMK)で、同工場ではBEVの新型車となる3列シートSUVを生産開始することを決めた。

 

トヨタが米国内でBEVを生産するのは初めてであり、同車両にはToyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC)で生産する電池を搭載する予定としている。

 

また電池工場への追加投資では、トヨタの北米統括会社であるToyota Motor North America, Inc.(TMNA)と豊田通商が、今後の電池の需要増を見据えて将来の拡張に備えた土台づくりとしてのスタンスで現在建設中のTBMNCに21億ドルを追加投資。より一層のインフラ整備を進めることを決めた。

 

今発表で、TBMNCへの総投資額は59億ドルに達し、TBMNCでは拡大する電動車の需要に必要なリチウムイオン電池を生産・供給していく構えという。

 

TMNAの小川哲男CEOは、「カーボンニュートラルの実現に向け、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減することを目指してまいります。

 

この目標を達成するためには、お客様のニーズを満たす電動車のラインナップを提供する必要があります。

 

米国初のトヨタ単独の車両生産拠点であるTMMKと、最新の工場であるTBMNCが、電動車のラインナップを拡げるため、BEVとバッテリー生産を開始し、未来に向け走り出すことを楽しみにしております」と述べた。

 

なおトヨタでは、「米国に於いてトヨタとレクサスのブランドで22種類の電動車を提供しています。過去2年間でトヨタは、電動化の取り組みを加速するため、米国での事業に対して80億ドル以上を投資してきました。

 

一方グローバルでは、フルラインナップメーカーとして、これまで累計2,300万台以上の電動車を販売してまいりました。

 

2025年頃までには、グローバルで販売する全車種を、電動専用車もしくは電動グレード設定車とする予定です。

 

またBEVについては、2026年までに、年間150万台を基準としてペースを定め、10モデルの投入を計画し、更に2030年までに約5兆円を投資することを公表しております。

 

トヨタはカーボンニュートラルを実現するための選択肢は1つではない、と考えています。お客様の暮らしを守りながら、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減していくためには、その手段は国や地域によって大きく異なります。

 

この考えのもと、あらゆる国と地域における様々なお客様のニーズにマルチパワートレーンで柔軟に対応し、できる限り多くの選択肢をご提供するために、今後もあらゆる努力を続けてまいります」と結んでいる。

 

TMMKの概要は以下の通り
名称: Toyota Motor Manufacturing Kentucky(トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー)
設立: 1986年1月
生産開始: 1988年5月
社長: Susan Elkington
従業員数: 約9,400名
生産能力: 約55万台
事業概要: 車両生産(RAV4 HEV、カムリ<含HEV>、ES<含HEV>)及びエンジン生産

 

TBMNCの概要は以下の通り
名称: Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(トヨタ バッテリー マニュファクチュアリング ノースカロライナ)
設立: 2021年11月
生産開始: 2025年(予定)
社長: Sean Suggs
従業員数: 約150名
出資比率: TMNA 90%、豊田通商 10%
事業概要: 車載用電池の製造(HEV用・BEV用電池を2025年より順次生産開始予定)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。