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2025年2月7日【事業資源】

ユニティのGUI環境、トヨタ自動車が次世代HMIに採用へ

坂上 賢治

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Unity ( ユニティ / Unity Technologies )は2月7日、トヨタ自動車の車載HMI( HMI: Human Machine Interface, 自動車の運転席周りの空間のインターフェース )のGUI( Graphical User Interface )開発にUnity が採用されたと発表した。

 

ユニティは、2004年にデンマークで設立された。現在、ユニティを使い開発・運営されているコンテンツの月間アクティブユーザー数は28億人を超えてているとされ、モバイルゲームを筆頭に近年では、多様な産業領域に於けるアプリケーション、テクノロジー分野でも幅広く利用されている。

 

今回トヨタがユニティを活用して開発するHMIは、今後開発予定の車両に搭載される見込み。これを受けてユニティはトヨタのHMI開発に自社技術を用いてサポートする。なおユニティによると、トヨタに選ばれたことはUnityのリアルタイム3D技術の変革的な可能性を示している謳っている。

 

そんな自社技術についてユニティは、「当社のGUI環境は、様々なプラットフォームでの広範な使用を通じて精練されてきました。このパートナーシップは、Unityの技術をトヨタのHMI開発プロセスにシームレスに統合し、手戻りを最小限に抑え、開発プロセスを最適化し、データ管理を合理化し、消費者に安定した高性能のGUI体験を提供することで、設計およびエンジニアリングのすべての段階での効率を向上させます」と話している。

 

対してトヨタ自動車のデジタルソフト開発センター チーフプロジェクトリーダー 今井孝志氏は、「トヨタ自動車では、新しいUXを創出するために、ドライバーとクルマ・社会をつなぐデジタルコクピットの内製開発を進めており、数百名規模のソフトウェアエンジニアがメーターやインフォテイメントなどの開発に携わっています。

 

近年では自動車業界でも高度な3D表現の活用が一般的になりつつある一方で、熟練したスキルが求められるため若手エンジニアが参画しづらいという課題がありました。そんな中、Unityは革新をもたらしてくれました。

 

現場では、最初はどうやったら3D画面が作れるのか想像もできなかったが、Unityを使い始めてすぐにリアルタイムのライティングやシャドウ、パーティクルエフェクトなどを駆使した新しいUXが作れるようになった。

 

車両からの信号やユーザーの操作と結びつけて自分の画面が動き始めた瞬間はとても感動したし、素早く実装してすぐに確認できるので開発に没頭でき、毎日のように新しい発見したなどの現場の若手エンジニアの声も届いています。

 

我々も彼らが短期間で新しい価値を生み出せるようになったことを私も非常に喜ばしく思います。加えて開発効率も飛躍的に向上し、得られた時間でお客様へご提供する価値をさらに高められることも大変素晴らしく、とても感謝しています。今後もUnity社様との連携により、より魅力的で革新的な商品をご提供し続けてまいります」と述べた。

 

なおユニティCOO (チーフ・オペレーティング・オフィサー) アレックス・ブラム氏は、「トヨタ自動車株式会社様とその世界的に著名なエンジニアチームと協力し、次世代HMI体験の最前線に立つために、Unityがリードするリアルタイム3D技術を活用できることを嬉しく思います。消費者の期待が進化する中、Unityはトヨタ様とドライバー向けにシームレスでインタラクティブな最先端のソリューションを提供できます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。