国土交通省は3月17日、豊田自動織機より、フォークリフト等の産業機械用の現行エンジン4機種について、型式指定申請時に不適切行為があり、内2機種は排出ガス基準を満たしていない旨の報告を受けたことから、同社に対し、事実関係の詳細な調査と再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示したと発表した。
国交省は、今回の事態を、「自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為である」と強い口調で遺憾の意を表すと共に、引き続き同社を指導し、環境性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処していくとしている。
[豊田自動織機からの報告概要]
1.現行の産業機械用エンジン4機種で以下の不正を行った。
①部品の製造ばらつきの影響を調べるため、劣化耐久試験の途中で行う排出ガス試験の内1回を、エンジン部品を交換して実施。
②劣化耐久試験において、一部の試験結果が異常値と考え、同性能の別エンジンの排出ガス測定結果と差替え。
③劣化耐久試験結果を踏まえ、燃料噴射装置を改良。改良後同試験をやり直さず、推定値を試験結果とした。
④排出ガス試験の一部で規定のエンジン運転条件の成立が困難であったため、本来設備側で設定を行うところ、エンジン側の制御ソフトの一部を変更。
2.不適切行為があった4機種のうち、③に関連する2機種(フォークリフト等用ディーゼルエンジン2機種)については、排出ガス基準を満たしていない。
3.豊田自動織機は、不正行為のあったエンジンとそれを搭載した車両の出荷を自主的に停止する。
4.事案の全容解明および再発防止策を検討するため、外部有識者による特別調査委員会を設置する。
<対象機種>
[国交省の対応]
1.国交省は、豊田自動織機からの報告を踏まえて、同社に対して以下の指示を行った。
①過去のエンジンを含めた事案の全容の解明と再発防止策を策定すること。
②リコールの必要なものは速やかに実施すること。
③ユーザーへの丁寧な説明や対応に努めること。
2.今後、速やかに調査を実施し、事実確認を行った上で、豊田自動織機への厳正な対応を行う。
[問い合わせ先]
国土交通省自動車局審査・リコール課 是則、真下、衣本
・代表:03-5253-8111(内線 42301、42302、42303)/直通:03-5253-8595