NEXT MOBILITY

MENU

2024年10月3日【ESG】

トヨタグループ、サーキュラー・コア設立で資源循環を主導

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

トヨタグループは10月3日、モビリティ事業に於ける資源循環経営を確立・拡大させるべく一般社団法人Circular Core(サーキュラー・コア)を設立(公式設立は2024年8月)したことを明らかにした。

 

Circular Coreは、サーキュラーエコノミー(CE)の普及・拡大への貢献を目的に、企業が「競争」ではなく「協調」により価値を生む実効性のある法人として立ちあげられたもの。

 

そこで謳われている設立趣旨と設立の背景等は以下の通り

 

1.背景
従来のモノづくりは、資源の採掘から生産・消費・廃棄までが一方通行で流れる「リニアエコノミー(直線型経済)」の仕組みで行われてきた。

 

しかし現在では、環境負荷低減や資源の枯渇を防ぐという観点から、廃棄物の排出と資源の投入を最小化し、生産から消費の流れが円を描き循環するCEの考え方が広がり、世界中で循環型社会実現に向けた活動が求められている。

 

またモビリティ産業においてもEUを起点に一部再生材使用の義務化が進み、自動車メーカーでは目標を設定するなどの動きがある。

 

これらを背景に持続可能な社会の実現を目指すにあたり、資源循環を更に推進し製造業を中心とした動脈産業における再生材使用を高めるためには、廃棄物を回収、再資源化を担う静脈産業との連携による再生材の確保が不可欠であり、企業間の連携を促進する新たな枠組みが有効との考えに至った。

 

 

2.Circular Coreの概要と活動内容
Circular Coreは、トヨタ自動車株式会社、豊田通商株式会社、株式会社アイシン、株式会社デンソー、株式会社豊田中央研究所の5社を中核企業として、トヨタグループ10社を会員企業とする法人。

 

主な役割としては、資源循環の促進に向けた、(1)動脈産業と静脈産業間の課題抽出、(2)CE関連技術の探索および実用化、(3)実証による事業性検証、を担う予定。

 

まずは日本国内のモビリティ領域で実績をつくり、中長期的には他産業との連携やエリア拡大も視野に入れて活動していく。

 

Circular Core設立にあたり代表理事の片山昌治氏は、「CEは未だ発展途上の概念でありながら、未来の子供たちのために、今我々が向き合わなければならない命題です。

 

事業として成り立つ形でCEを実現するためには、一企業で取り組むのではなく、企業間あるいは業界間の壁を越えた連携による仮説立案と実証を繰り返し、価値創出を行うことが近道です。

 

Circular Coreの名の通り、当該法人はCEに於ける核として実のある活動を推進することにより、CEが広く社会基盤として根付き、当たり前になる未来を目指します」と述べている。

 

———————————

 

Circular Core概要
法人名:一般社団法人Circular Core(サーキュラー・コア)
所在地:名古屋市中村区名駅四丁目9番8号
設立日:2024年8月8日

 

役員構成:

[代表理事]
片山昌治(豊田通商株式会社 執行幹部 サーキュラーエコノミー本部COO)

 

[理事]
井上博文(トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー プレジデント)
西川昌宏(株式会社アイシン カーボンニュートラル推進センター長 CCNO)
武内裕嗣(株式会社デンソー 経営役員・CDO・研究開発センター長)

 

[監事]
髙尾尚史(株式会社豊田中央研究所 執行職 イノベーティブ研究部門 部門長)

 

会員企業:

[幹事会員]
トヨタ自動車株式会社、豊田通商株式会社、株式会社アイシン、株式会社デンソー

 

[正会員]
愛知製鋼株式会社、株式会社ジェイテクト、トヨタ車体株式会社、株式会社豊田中央研究所、トヨタ紡織株式会社、豊田合成株式会社

 

ウェブサイト:https://circular-core.jp/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。