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2024年9月5日【ESG】

トヨタとBMW、水素社会実現に向けた協力関係を強化

坂上 賢治

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(写真左から)トヨタ自動車株式会社 中嶋 裕樹 取締役副社長、トヨタ自動車株式会社 佐藤 恒治 代表取締役社長 、BMW AG オリバー・ツィプセ 取締役会会長、BMW AG フランク・ウェバー 取締役 開発部門担当

 

水素社会を実現するべく燃料電池システムの技術革新を加速させていく

 

トヨタ自動車とBMWグループは9月5日、カーボンニュートラルの実現と水素社会の構築に向け、水素分野での協力関係を強化することで合意し、基本合意書を締した。今後、燃料電池システムの開発やインフラ整備などに共同で取り組んでいく。

 

両社は、2011年12月に環境技術に於ける中長期的な協力関係の構築に合意し、燃料電池をはじめとした環境技術やスポーツカーなどの開発を、共同で10年以上にわたり進めてきた。「水素社会を実現したい」という共通の想いを持つ両社は、今後、燃料電池システムの技術革新を加速させていくという。

 

 

トヨタとBMWは、第3世代燃料電池システムの共同開発に取り組み、両社のモデルに搭載することで、幅広い燃料電池自動車(FCEV)の選択肢を提供する。具体的な第一弾として、2028年にBMWによる初の量産型FCEVの生産開始を予定している。

 

開発・調達の協力による相乗効果の創出や、パワートレイン・ユニットの統合によるコスト削減、商用・乗用の需要拡大などにも取り組む。FCEVがより身近な選択肢となることを通じ、水素社会の実現に向け貢献していく。

 

水素社会を実現するには、想いを同じくする仲間と共に歩みを進めていく必要がある。普及の黎明期にあたっては、水素の需要を塊で創出する必要があり、水素を製造・供給する事業者とも協調し、インフラの整備や水素の安定供給、低コスト化にも取り組んでいく。

 

両社のカーボンニュートラルに向けた考え方を共有していく

 

トヨタの佐藤社長は、「BMWとトヨタの協業が新たなステージに入ることを嬉しく思います。長年のパートナーシップを通じて、私たちはクルマづくりへの情熱と、BMWの〝テクノロジー・オープンネス〟、トヨタの〝マルチパスウェイ・アプローチ〟というカーボンニュートラルに向けた考え方を共有することを確認し合ってきました。

 

これら共通の価値観に基づき、今後、次世代燃料電池システムの共同開発やインフラ拡充の取り組みなど、水素社会の実現を目指して協力関係を深めていきます。水素エネルギーが社会を支える未来を実現するべく、BMWとともに、そして産業を超えた仲間とともに取り組みを加速してまいります」と述べた。

 

 

BMWのツィプセ取締役会会長は、「これは自動車の歴史における画期的な出来事であり、世界的なプレミアム・メーカーによって提供される初めての量産モデルです。水素のパワーとこの協業を原動力として、技術の進歩が将来のモビリティを形作ることを示していきます。そしてこれは、多くの人々が燃料電池車を求める時代の幕開けとなるのです」と語った。

 

更にトヨタは、「カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの中で、水素を重要なエネルギーと位置づけ、「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域に於いて、多くの仲間とともに取り組みを進めてきました。トヨタは、町いちばんのクルマ屋を目指し、各地域の市場特性やお客様ニーズに対応しながら、地域に根差した経営を行なっています。

 

今後も各地域のお客様ニーズに合わせ、FCEV、電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)など、マルチパスウェイを軸に多様な選択肢で、CO2の着実な削減に取り組んでまいります」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。