ダイキャスト製ミニカーの「トミカ」55周年を記念して、自動車メーカー各社が協力する「自動車メーカーコラボプロジェクト」に、同じく発売55周年を迎えるスズキの「ジムニー」が選ばれた。
このトミカの「自動車メーカーコラボプロジェクト」は、普段は実車のデザインを担当している各自動車メーカーのデザイナーが、このプロジェクトのためだけに特別なトミカ55周年記念デザインを考案するというもの。
そんな「ジムニー」は、1967年に完成していたホープ自動車(小野定良社長)の「ホープスターON型」の製造権を、小野定良社長と親交のあった当時の鈴木修常務(先のスズキ相談役)が譲り受け、軽自動車初の4WD車(2サイクル0.36L)として1970年4月に初代ジムニー(LJ10)として発売したことで、現在に至るアイコニックな「ジムニー」の歩みが始まっている。
1970年:ジムニー(LJ10)発売(初代)
1981年:ジムニー(SJ30)発売(2代目)
1998年:ジムニー(JB23)発売(3代目)
2018年:ジムニー(JB64)発売(4代目)
この際(1970年)、当時の鈴木修常務は「排気量360ccのジープが、きっと社会に受け入れられる」というカンピューターが働いたのだろう。実際、以降は鈴木修氏の思惑通りで、悪路走破性とコンパクトな車体による取り回しの良さから、発売以来4度のフルモデルチェンジを経て、世界累計販売台数約350万台、199ヵ国・地域※に展開するスズキを代表するモデルとなった。
一方、「トミカ」(発売元:株式会社タカラトミー)は、1970年に日本初の手のひらサイズの国産車ダイキャスト製ミニカーシリーズとして発売された。外国製のミニカーが全盛だった当時、「日本の子どもたちに、もっと身近な国産車のミニカーで遊んでもらいたい」という熱い想いのもと誕生し、今では3世代にわたって愛されている。
そのようなスズキとトミカの歩みから、両ブランドは世代を超えたロングセラー商品として、55年を歩んできた。おそらく今後も「ジムニー」は、スズキが世界に誇る唯一無二のコンパクト4WDのアイコニックなモデルとして、これからも世界中の道で活躍していくのだろう。
ちなみにこの「自動車メーカーコラボプロジェクト」にあたり、コラボ車のデザインを手掛けたスズキ商品企画本部 四輪デザイン部 エクステリア課の伊藤仁美氏(いとう・ひとみ/2015年入社。愛車は10年乗り続けるジムニーJA11)は、「どんな時も大きな夢を感じさせてくれるという同じ共通点を持つジムニーとトミカの魅力を、最大限に引き出すデザインを表現しました。
冒険やワクワクする気持ちを象徴するデザインテーマをモチーフに、グラフィックには荒野の中を駆け抜けていく走破性の高さやアグレッシブさを泥はねで表現し、ホイールは前後の色を変える事で大自然に飛び込んでいく躍動感をイメージしています。
また、スズキのSマーク、トミカのロゴマーク、トミカ55周年ロゴに加え、歴代ジムニーをオマージュしたグラフィック等、細部まで拘りを詰め込んだデザインを採用しています。
子供たちにも、車好きの大人にも、ジムニーとトミカがもたらしてくれる〝非日常や冒険〟〝ワクワクする気持ち〟を感じて頂けたらと思います」と話している。