競泳女子で東京五輪代表の池江璃花子選手が3月6日、東京都内に報道陣を募って記者会見を行い、来たる4月1日からの所属先として横浜ゴムとパートナーシップ契約を結ぶ事を発表した。
これまでスポーツクラブのルネサンスの所属選手として活躍して来た池江選手だが今月、日本大学大を卒業。これを機に横浜ゴムの一員( 経営企画部・広報室 )となり、社会人選手として社業にも関わりつつ来年のパリ五輪を目指す。
これにより第一区分登録団体及び所属企業は横浜ゴムとなる。ルネサンスは第二区分登録団体として引き続き水泳指導を担うため、今後は、国内の主要大会に於ける登録団体表記で、ルネサンスは横浜ゴムと並んで併記される事になる。
このパートナーシップ契約を結んだ事についてて横浜ゴムでは、「池江選手は日本が誇る競泳トップ選手のひとりであり、これまでに数々の輝かしい戦績を残しています。また今年3月に大学を卒業し、世界的な大会での勝利に向けて挑戦し続けています。
一方、横浜ゴムも〝自らを鍛え、自己ベストに挑戦する〟ことを行動指針に掲げ、グローバルプレイヤーとしてさらなる成長に挑み続けています。
今回、横浜ゴムは新たな夢に向かって挑戦し続ける池江選手の姿に深く共感し、サポートすることを決定しました。今後、池江選手は横浜ゴムの所属選手として様々な大会に出場する予定です。
当社は池江選手の夢の実現と、グローバルな舞台での挑戦を支えていきます。またアスリートとしてのサポートにとどまらず、社会人として新たな世界を歩み始める池江選手を支援し、当社の様々な活動に参加いただく機会を提供します」と述べている。
対して池江選手は、「元々、自分も世界のトップにいましたが、病気をしてしまいました。それでもまたいつか、長い時間を掛けてでも世界の舞台でトップとして戦いたいという気持ちを今も持ち続けています。
そうした折り、横浜ゴムの社員の方々にお会いした際に、世界を相手に自分たちが奮闘してトップに行きたいという気持ちがあると伺い、その想いに強く共感しました。グローバルな企業というところも惹かれたポイントです。
何年もかけてじっくりトップを目指して上がって行こうとしている企業の一員となり、私も一緒に上を目指し、水泳選手としても、社会人としても成長して行けるように頑張りたいと思います」と話している。
池江 璃花子選手は2000年7月4日生まれ( 22歳 ) 東京都出身。2014年JOC春季大会( 13~14歳区分 )で50mおよび100m自由形で短水路中学記録を更新し優勝した上に50mバタフライでも優勝。
2016年の第92回日本選手権、100mバタフライで派遣標準記録を切り優勝してリオデジャネイロオリンピック代表権を獲得。若干16歳で挑んだリオ五輪では7種目に出場し100mバタフライで5位入賞。
翌2017年の第93回日本選手権で女子史上初となる5冠を達成。更に2018年第94回日本選手権で4種目に出場して計6個の日本新記録を出す。同じく第18回アジア大会で史上初となる6冠を達成し、大会最優秀選手( MVP )に選出された。
しかし2019年2月に急性リンパ性白血病である事が判明。約10カ月入院後の同年12月に退院。翌年には、逆境を跳ね返して奇跡的に復活し実戦復帰。2021年の第97回日本選手権水泳競技大会50m・100mのバタフライと自由形計4種目で4冠を達成。
五輪二度目の出場となった東京大会ではリレー3種目に出場し、女子4×100mメドレーリレーでは決勝進出を果たす。現在、短水路長水路併せて19個の日本記録を保持している。