製品ラインアップ
自動運転ロボットの生産・提供を通じMaaS・スマートシティ技術の加速へ
システムインテグレーター大手のTISと、MaaS向け自動運転EVなどを開発するPIX日本は、2024年6月12日に合弁会社「ピクセルインテリジェンス」(PIX JV)を設立した。
ちなみにTISとPIX日本の中国本社PIX Moving(ピクシームービング)は、MaaSやスマートシティ領域等に於ける新ITサービスの創出を目指して、2022年7月に資本業務提携契約を締結していた。
そうしたなかで、2023年4月に日本政府の改正道路交通法の施行により、自動運転レベル4の規制が緩和され、特定条件下の公道で完全自動運転が解禁された。また2024年6月には、内閣府から「経済財政運営と改革の基本方針2024( 骨太方針2024 )」を発表。
この骨太方針2024では、「一般道での自動運転に於いて、令和6年度に全国約100カ所で計画・運行を行う」と提言され、いよいよ自動運転に関するルールの整備と、関連市場の形成が加速されていく見通しが見えてきている。
そこでTISとPIX日本は、MaaS向け自動運転EV、ロボットの開発・製造を主要事業とするPIX JV及び組立工場の茅ヶ崎工場(所在地:神奈川県茅ヶ崎市)を設立する。
さて今回のPIX JVに係る共同出資は、先の2022年に行われたTISとPIX Movingとの資本業務提携後の中国・日本での協業実績を踏まえ、更なる両社間のビジネス拡大を図るための提携となった。
より具体的にPIX JVは、MaaS関連製品及びサービスの提供を通じて、TISが中期経営計画で掲げる「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」などの社会課題の解決に貢献。日本国内及び海外に於けるMaaS、スマートシティ領域等での新たなITイノベーションサービスの創出を本格的に手掛けていく構えだ。
新会社となるPIX JVの概要は以下の通り
名称:ピクセルインテリジェンス株式会社
所在地:東京都港区海岸一丁目7番地1号 東京ポートシティ竹芝10階
代表者:代表取締役社長 喩川
事業内容:スケートボード型EVシャシー、MaaS用EV・ロボットの開発・製造
資本金:3,628万円(増資後:資本準備金を含め35億円)
設立年月日:2024年6月12日
出資比率:PIX日本 70%、TIS 30%
新会社に於ける製品・サービスの特徴は以下の通り
PIX JVは、PIX Movingの強みである最先端のAIGC(AI-Generated Content)設計、3Dプリントなどの製造技術を茅ヶ崎工場に導入。
自動運転Robo-Bus(PIX Movingが提供している無人運転のミニバス)、自動運転無人販売EV、有人/無人運転ミニEV(Robo-EV)、屋外/屋内デリバリーロボット、屋外自動運転清掃EV及び自動運転汎用スケートボード型EVシャーシー( EV向けスケートボード型シャーシーのプラットフォーム )などの量産を視野に据える。
また、PIX JVのRTM™(Real-Time Manufacture)先端設計/製造技術は、多種のロボット関連製品の企画から開発の大幅な期間短縮を実現させていく。
なお上記の各種製品は、既にPIX日本を通じて日本及び海外20ヵ国以上での販売実績があり、2024年度中に日本国内でRobo-Busのナンバープレートを取得する計画がある。
PIX JVは、2024年中に日本での第一工場となる茅ヶ崎工場の開業を想定。2028年までには日本国内に第二工場の設立を始動させ、年間1万台以上まで製造キャパシティーの拡大を目指す。そうした一連の取り組みの結果、「ジャパンメイド」の高品質なイノベーション製品・サービスを、日本・ASEAN・EU・米国などへ提供していく。
<茅ヶ崎工場の概要>
所在地:神奈川県茅ヶ崎市萩園2594-1
敷地面積:1,177㎡
延床面積:2,444㎡
生産開始予定:2024年12月
生産商品:自動運転汎用スケートボード型EVシャーシー、Robo-Bus、Robo-EV、各種サービスロボットなど
PIX JVとの共創活動を通じたTISの今後の展望は以下の通り
<今後の注力分野>
TISでは、今後、PIX JVとの共創活動を通じて、大きく3つの分野でのビジネス拡大を狙いとした新サービスの展開を進めていく。
サービスロボット
– スケートボード型EVシャシーを活用したサービスロボットの企業向け提供 –
TISでは、従前より複数台のサービスロボットを統合型で管理するプラットフォーム「Robotic Base®」を開発。都心の再開発に伴う大型商業ビルなどの労働力不足に対する解決手段として、清掃や警備、配膳などを無人で行うロボットのプラットフォームを提供している。
また「Robotic Base」とPIX JVのスケートボード型EVシャシーを組み合わせて、エレベーター連携を含む複数フロアに跨る利用も手掛けている。具体的には病院やホテルなど用途に応じた新製品企画を通じて、ロボット活用コンサルティングから、ロボット提供、統合監視による運用までをフルサポート。ロボット支援サービスの拡大を図っている。
サプライチェーンDX
– 企業向けのサプライチェーンDXによる業務効率化を実現するAGV(無人搬送車)の提供 –
工場の生産性向上や物流業界の2024年問題への喫緊の対応として、構内物流や物流倉庫の積み替えニーズの増加に応え、重量サイズや付帯アプリケーションを組み合わせた新仕様のAGVを提供していく。
自動運転新市場の創出
– 自動運転Robo-Busや2人乗りRobo-EVによる新市場の創出 –
現在、多くのエリアで自動運転の実証や運用が開始されているなかで、Robo-Busは6人乗りの小型車両という特性を活かし、スマートシティや過疎地域での旅客輸送やグリーンスローモビリティ市場を創造。今後はTISが提供する決済や、新しいコンテンツを組み合わせた移動空間体験の新しい提案を行っていく予定。
また今後の法改正に合わせて認可申請手続きを進めつつ、無人移動販売や、イベント会場やリゾート地に於ける移動手段と製品と合わせた新たなイノベーションも提案していく。加えてRobo-EVは、個人の短距離移動での利用や、特定区域内でのカーシェアリングビジネスへの活用など新たな市場の創出に繋げていきたい考えだ。
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TIS株式会社
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、あらゆる経営課題に向き合い「成長戦略を支えるためのIT」を提供している。また過去50年以上に亘り培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・中国・ASEAN地域の社会と共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指している。
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株式会社ピクシームービング(PIX日本)
社名:株式会社ピクシームービング
ブランド名:PIX Moving
設立:2023年4月
拠点:東京都中央区新富1-15-11マキプラザビル403号
代表者:喩川
主要事業:スケートボード型EVシャシー、MaaS用EV・ロボットの開発・製造