スズキ・モーター・グジャラート(SMG)社グジャラート工場
スズキは7月31日、市場拡大と炭素中立の両立が求められるインドで、四輪車生産事業の更なる効率化を目指す事を示した。それはスズキの100%子会社のスズキ・モーター・グジャラート社(SMG)をマルチ・スズキ・インディア社(マルチスズキ)の子会社とする事だ。このマルチスズキによるSMGを子会社化するという経営方針は、同日7月31日に行われたスズキ、マルチスズキ、SMGの各々の取締役会で承認された。
そんなSMGは2017年2月1日から、マルチスズキと生産委託契約を締結した上で四輪車の生産を開始。SMGで造られた生産車両は全数マルチスズキへ供給して来た。そんなマルチスズキとSMGは先々、両社間に於ける生産委託契約が終了した場合、スズキ保有の全SMG株を取得する権利を有していた。
今回は、これを踏まえSMGとマルチスズキは協議の上で生産委託契約を終了させ、スズキが保有するSMG株をマルチスズキが全取得する事でSMGを傘下に収める。
なおマルチスズキによるSMG子会社化は、マルチスズキの株主承認が得られる事。およびインド政府の承認を必要に応じ取得する事を合意条件としている事から、今後の手続きの進捗によるものの今年度中にSMGの子会社化を完了させる見込み。
ちなみに同生産体制の再編は、マルチスズキがインドに於ける四輪車生産を統括する事で、当地での生産業務を効率化。これを通じてマルチスズキのみならず、スズキグループ全体の競争力を高める事が目的となっているという。
そんなマルチスズキは既存の保有工場に加え、2025年にも稼働予定としているカルコダ新工場(ハリヤナ州)に於ける車両生産に加えて、新たに100万台規模の生産能力を有する工場建設も既に発表済み。
こうした取り組みを踏まえインドでは、2030年度までに約400万台の生産能力を確保出来るよう事業増強策を計画中であり、それに伴う能力増強に必要な投資はマルチスズキに於いて行う予定だ。
一方、スズキ本体はインド経済の拡張に貢献するべく、将来技術などの基礎技術並びに研究開発体制の強化を打ち出していく。またスズキ100%子会社のスズキR&Dインディア社も活用。先行領域の技術開発、電気自動車(BEV)用電池生産、バイオガス事業などの投資を積極的に推し進めていく構えだとしている。