開発品の断面模式図とバッキング素材の比較
フロアマットの水平リサイクルにでカーボンニュートラル社会へ貢献
スズキは12月25日、車両用フロアマットの製造・販売を担う永大化工(大阪市平野区)とCO2排出量削減を実現した「モノマテリアル・フロアマット」を共同開発した。開発品は今後、スズキの四輪製品用純正用品に採用していく予定という。
この「モノマテリアル・フロアマット」は、フロアマットのパイル素材(カーペット糸)を従来製品のポリプロピレンから、サステナブル素材であるリサイクルポリエステルに置き換えることで、マット製造時のCO2排出量を削減させた。
加えて従来製品が複合体であるために分離・リサイクルが困難であった課題に対応させ、製品全てがポリエステル100%で構成した製品としている。
また、「モノマテリアル・フロアマット」はバッキング(裏面材料)にリサイクルポリエステル不織布を採用することにより大幅な軽量化を実現。従来製品との比較で重量を約40%削減することで、原材料製造時のCO2排出量削減や、燃費の改善、製品輸送時のCO2排出量削減への寄与が見込まれる。
加えて、ポリエステル不織布バッキングのマットでは止水性の担保が課題とされる中、「モノマテリアル・フロアマット」は止水性を担保。軽量化と機能性を両立した。
更に「モノマテリアル・フロアマット」およびマットのリサイクル技術の開発成功により、従来製品では不可能だったマット製造時に発生する端材を樹脂材料にリサイクル。カーペットのパイル・バッキング原料として再利用する水平リサイクル技術も確立した。
これによりリサイクルポリエステルの使用と軽量化を通じて、従来製品と比較してCO2排出量を約70%削減できた。将来的には市場で使われた「モノマテリアル・フロアマット」の回収からリサイクルを目標とすることで、より一層カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指していく。
スズキと永大化工は、「各種プラスチックのリサイクル技術と樹脂成形加工のノウハウを持ち寄り、協力することで、将来のカーボンニュートラルに向けた新しい車両用品のご提案へ繋げたいと考えています」と結んでいる。