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2024年12月25日【ESG】

スズキ、永大化工と低環境負荷なフロアマットを共同開発

坂上 賢治

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開発品の断面模式図とバッキング素材の比較

 

フロアマットの水平リサイクルにでカーボンニュートラル社会へ貢献

 

スズキは12月25日、車両用フロアマットの製造・販売を担う永大化工(大阪市平野区)とCO2排出量削減を実現した「モノマテリアル・フロアマット」を共同開発した。開発品は今後、スズキの四輪製品用純正用品に採用していく予定という。

 

この「モノマテリアル・フロアマット」は、フロアマットのパイル素材(カーペット糸)を従来製品のポリプロピレンから、サステナブル素材であるリサイクルポリエステルに置き換えることで、マット製造時のCO2排出量を削減させた。

 

加えて従来製品が複合体であるために分離・リサイクルが困難であった課題に対応させ、製品全てがポリエステル100%で構成した製品としている。

 

 

また、「モノマテリアル・フロアマット」はバッキング(裏面材料)にリサイクルポリエステル不織布を採用することにより大幅な軽量化を実現。従来製品との比較で重量を約40%削減することで、原材料製造時のCO2排出量削減や、燃費の改善、製品輸送時のCO2排出量削減への寄与が見込まれる。

 

加えて、ポリエステル不織布バッキングのマットでは止水性の担保が課題とされる中、「モノマテリアル・フロアマット」は止水性を担保。軽量化と機能性を両立した。

 

更に「モノマテリアル・フロアマット」およびマットのリサイクル技術の開発成功により、従来製品では不可能だったマット製造時に発生する端材を樹脂材料にリサイクル。カーペットのパイル・バッキング原料として再利用する水平リサイクル技術も確立した。

 

これによりリサイクルポリエステルの使用と軽量化を通じて、従来製品と比較してCO2排出量を約70%削減できた。将来的には市場で使われた「モノマテリアル・フロアマット」の回収からリサイクルを目標とすることで、より一層カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指していく。

 

スズキと永大化工は、「各種プラスチックのリサイクル技術と樹脂成形加工のノウハウを持ち寄り、協力することで、将来のカーボンニュートラルに向けた新しい車両用品のご提案へ繋げたいと考えています」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。