住友ゴム工業は1月8日( 米国時間1月7日 )、The Goodyear Tire & Rubber Company( Goodyear社 )より、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP( ダンロップ )商標権の譲渡契約を締結した。
取得額は526百万米ドル( 826億円 / 1ドル=157円で換算 )となる。なお、その他の契約条件として欧州DUNLOP製品の顧客移行等に関する移行サポート費用として105百万米ドル( 165億円 )と初期在庫の買取費用等を取得額と合わせクロージング時に支払う。ちなみにグッドイヤータイヤ&ラバーカンパニー側の報道発表による算出では、欧州に於ける5年間の移行オフテイク契約に基づく取引完了時の総現金収入は約7億100万ドルであるとしている。
今回の商標権取得により、一部の地域( 四輪=インド・マレーシア・シンガポール・ブルネイ。二輪=インド・欧州・オセアニア地域 )や商材を除き、グローバルでDUNLOPブランドのタイヤ事業が可能となった。
今後は、DUNLOPを自社の基幹ブランドに位置付け、タイヤ事業とスポーツ事業の両面でブランド強化活動を推進。DUNLOPの歴史や知名度を活かしつつ独自の先進技術を搭載。他社との差別化を図ると共に、次世代モビリティー社会の要求に応えていく構え。
また、これまで欧州・北米・オセアニア地域で展開してきたFALKEN( ファルケン )ブランドは、各地域で培った商品企画力やマーケティング力を生かし、よりエッジの効いた商品構成に注力していく。
住友ゴムの山本悟 代表取締役社長は、「当社グループは、1980年代に各国のDUNLOP社を買収し、日本に加えて欧州、北米でもDUNLOPブランドのタイヤを生産・販売していた歴史を持っています。
今回の取得によりほぼ全世界でDUNLOPブランドを使用できるようになったことは、当社グループにとって大きな機会であり本当にうれしく思います。
今後は新たに権利を得た地域はもとより、既存の地域も含め、DUNLOPブランドを最大限有効に活用し、Purpose( パーパス:私たちの存在意義 )である〝未来をひらくイノベーションで、最高の安心とヨロコビをつくる〟の実現に向けた取り組みを更に加速させます」と述べている。
対してグッドイヤーで最高経営責任者兼社長を務めるマーク・スチュワート氏は、「これはグッドイヤー・フォワード変革計画の継続実行に於けるもうひとつの重要な節目です。当社はポートフォリオを最適化し、レバレッジを削減することで、持続可能で実質的な株主価値の創造を推進しています。
この取引は、株主に大きな価値をもたらすだけでなく、グッドイヤーがコアブランドの成長にさらに注力するためのより良い立場を築くことになります」と語っている。
更にグッドイヤーでエグゼクティブ バイスプレジデント兼最高財務責任者を務めるクリスティーナ ザマロ氏は、「当社のチームは、ダンロップ ブランドの売却を通じてグッドイヤーの価値を最大化することに重点を置いた包括的なプロセスを実施し、その結果に非常に満足しています。当社は、ダンロップ ブランドの顧客にとってスムーズな移行を確実にするために、SRI(住友ゴム)と緊密に協力することに尽力していきます」と結んでいる。
Goodyear社概要
社名 :The Goodyear Tire & Rubber Company
URL :https://corporate.goodyear.com/us/en.html
本社所在地 :200 Innovation Way, Akron, Ohio, USA
代表者 :CEO マーク・スチュワート
設立 :1898年
事業内容 :タイヤの製造販売