住友ゴム工業は11月7日、連結子会社である「Sumitomo Rubber USA(以下、SRUSA)」での生産活動をすべて終了し、その後必要な準備を行った後に同社を解散することを同日開催の取締役会で決議したことを発表した。
1.解散決定までの経緯
住友ゴムは、北米市場向けの需要に応えるため、2015年10月に米国グッドイヤー社とのアライアンス契約と合弁事業を解消し、米国の「Goodyear Dunlop Tires North America(現SRUSA)」を100%子会社化、乗用車用タイヤやモーターサイクル用タイヤ、トラック・バス用タイヤの製造を行ってきた。
その後、日米一体となって、SRUSAの生産体質や業務効率の向上を図るべく取り組んできたが、生産性や収益性の悪化により、依然として厳しい事業環境が続き、長期的には収益性の改善が困難な状況に。この状況に鑑み、北米市場への取組みや事業の立て直しに関する施策について議論を重ね、慎重に検討した結果、今回、北米市場に於いてはSRUSAで生産したタイヤを販売しても当面採算が取れないと判断。SRUSAの生産活動を全て中止し、解散することを決定した。
なお、SRUSAで行っていたタイヤの研究開発は「SRI America」に移管し、継続。また、「Sumitomo Rubber North America」の販売体制は従来から変更はないと云う。
2.子会社の概要
– 名称:Sumitomo Rubber USA, LLC
– 所在地:アメリカ合衆国・ニューヨーク州
– 代表者の役職・氏名:President & CEO 渡辺 泰生
– 事業内容:乗用車用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、トラック・バス用タイヤの製造。
– 資本金:262,634千米ドル
– 設立:1920 年
– 従業員数:1,555人(2024 年9月末時点)
– 大株主及び持株比率 SRI America, Inc.(当社 100%子会社)100%
– 上場会社と当該会社(SRUSA)との間の関係:
・資本関係:住友ゴムが100%出資している。
・人的関係:住友ゴムは当該会社に役員を派遣している。
・取引関係:金銭の貸付を行っている。
– SRUSAの最近3年間の財政状態および経営成績(単位:千米ドル)
※組替後事業利益は、SRUSA生産品の連結事業利益を表している。
3.解散の日程
住友ゴムは、11月7日付でSRUSAでの生産活動をすべて終了し、その後必要な準備を行った後に同社を解散する。今後は、会社清算に向けて、現地法令に従い必要な手続きを進めていく。
4.解散に伴う損失額
また、SRUSAの解散に伴い、第3四半期連結累計期間に於いて465億円の北米構造改革関連損をその他の費用として計上する。また、これに加えて2024年12月期第4四半期以降に解雇費用や途中解約違約金などの費用を概算で282億円計上する見込み(詳細は現在精査中のため、金額が大きく異なる可能性があることから、今後大幅に変動する場合には、速やかに開示する)。
5.今後の見通し
今後は、現地当局へのSRUSAの解散に関する必要な申請手続きを、現地の法令に従って進めていく。なお、SRUSAでの生産終了や解散に伴う損失額、2024年12月期の連結業績に与える影響は現在精査中であるため、今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかに告知する。
住友ゴムは、現在推進中の中期計画で2025年までを「既存事業の選択と集中」の期間と位置付けていることから、今後も、グループの将来的な発展のために、成長事業へのリソース集中・活用を進めていくとしている。