ステランティスNVは7月25日( オランダ・アムステルダム発 )、自社傘下のロボット技術部門Comau SpA(コマウ社)の株式の過半を、米国に本社を置き欧米の技術産業への投資を主業務とするOne Equity Partners( OEP /ワン・エクイティ・パートナーズ社 )に売却することで合意した。
かつてコマウ社は、イタリアに本社を置くフィアットの完全子会社だったが、その企業プロフィールは、当時から産業オートメーション並びに先端ロボット工学に秀でた組織として著名だった。
なお同取引は2024年末までに完了する予定。ステランティスは引き続き、コマウ社の大株主の一角であり続ける一方で、プライベート・エクイティ・ファームのOEPが、過半の株式を取得して筆頭株主となる。OEP傘下になることでコマウ社の独立企業としての移行が加速化される見込み。
そもそもコマウ社のスピンオフは、2021年1月にステランティスNVが設立された時から想定されていた戦略の一部( フィアット・クライスラーとPSAの合併契約の一環 )であった。現段階では、取引上の財務条件などを筆頭に取引の詳細はまだ明らかにされていないものの、今後は、規制当局の承認及びその他の慣例的な完了条件に従うことになる。
コマウ社の経営体制について変化は無く、取締役会長のアレッサンドロ・ナシ氏と CEOのピエトロ・ゴリエ氏は以降も職務を継続する。ゴリエCEOは、50年以上の歴史を持つコマウ社にとって、今買収が自社の戦略目標に合致していることに加え、今後は、世界的な産業オートメーション・ソリューションの需要増に積極的に応えていくことができると述べた。
対してステランティス社のカルロス・タバレスCEOは、今回の会社分割によりコマウ社は真の独自性を獲得。自動車産業以外の分野に手を広げて、急成長する産業オートメーション市場で主導的な地位を目指していくことができると同時に、ステランティス側は、ヨーロッパに於ける自らの主要事業に集中することができると語っている。