クライスラー、ダッジ、ジープ、シトロエンの親会社ステランティスN.V.は11月1日(アムステルダム発)、先に(10月26日)同社が15億ユーロ規模の戦略的投資先として明らかにした中国のEVメーカーLeapmotor(リープモーター社/零跑汽車)取締役就任予定のグレゴワール オリヴィエ氏を、カルロス・タバレス氏直属の海外事業責任者に任命した。
写真左からグレゴワール・オリヴィエ氏、右ダグ・オスターマン氏
グレゴワール氏は同責務にあたって、中国国内での物品調達、市場調査、販売合弁会社の設立、流通および販売資産の使用に関する調整など、将来的な事業拡大策を模索。新たな戦略的パートナーシップの実行などについても精力的に推し進めていくという。
併せてステランティスN.V.は、ダグ・オスターマン氏をタバレス氏直属の最高執行責任者(中国事業COO)に任命した。なおオスターマン氏もリープモーター社の取締役を務める予定。オスターマン新COOは、中国に於ける事業全域の運営に加え、競争の激しい中国国内で事業を成長させるための知識を持つとされる。
ちなみに2015年に創設されたリープモーター社は、中国当地で急成長中の新エネルギー車(NEV)製造企業の一角を占めている。 同社は中・高級市場に重点を置き、昨年度は約111,000台のNEVを生産・納入した実績がある。
先にリープモーター社とステランティスは、双方で51(ステランティス)/49(リープモーター)%を出資して合弁会社のLeapmotor International(リープモーター・インターナショナル)を設立。
この結果、ステランティスは、中国国外のリープモーター社製品の製造・輸出・販売で独占権を保持しており、合弁会社は2024年後半から中国国外への製品出荷を開始する予定としている。なおステランティスは、リープモーター社の取締役会に2議席を持ち、リープモーター・インターナショナルのCEOの任命権も有している。
この両社のパートナーシップは、中国でリープモーター車の販売を拡大させていく他、ステランティスの国際販売力を活用して、欧州・米国など中国外地域でのブランド浸透を加速化させることも目的のひとつだ。
ステランティスN.V.のタバレスCEOは、「先に発表済のリープモーター社との連携をより確実に実行するため、我々は当社の2人の経営トップに中国事業を委ねることにした。
まずダグ(オスターマン氏)は、新規事業運営に対するタフな適応力、優れた交渉スキルを持ち合わせており、この責任を担うだけ実力がある。またそもそもダグは先頃迄、中国に於いてCFO(最高財務責任者)およびCSO(戦略責任者)を務めていた。
またグレゴワール(オリヴィエ氏)とダグの2人は、過去2年間に亘って、互いに協力して新たな戦略を策定。当社のビジネスを成長させるべく新たな手段を切り拓いてきた。私は両名がそれぞれの役割で、中国事業で新たな推進力を生みだしてくれるものと信じている」と述べた。