ステランティス( STELLANTIS,N.V. / 本社:北ホラント州アムステルダム )は12月10日( オランダ・アムステルダム発 、CATLと共にスペインのサラゴサに大規模なリン酸鉄リチウム( LFP )電池工場を建設するべく、合弁会社設立目的を前提とした最大41億ユーロ規模の投資計画で合意に達した。
出資比率は両社50対50の合弁。ステランティスは、中距離向けのBおよびCセグメント市場を対象に、耐久性と値頃感を持つ乗用系EV、クロスオーバー、SUVを提供したい考え。
また完全にカーボンニュートラルとなる電池工場の建設は、複数の段階を経た投資計画を介して実行に移されていく見込み。具体的な稼働時期は、2026年末までに開始される想定となっており、操業規模はスペイン当局と欧州連合からの支援次第であるものの、最大50GWhの容量に達する可能性があると説明する。
ちなみにCATLでは、既に本格稼働させているドイツとハンガリーの2つの工場を通じて、最先端のバッテリー製造技術をヨーロッパへ提供済み。そうしたなかで、新たなスペインの新施設は、欧州当局が掲げる気候目標を逸早く達成させるべく能力を強化。ヨーロッパだけでなく世界規模でのeモビリティと電動エネルギーへの転換を促すため、その取り組みに係るスピードを一層加速させていく構えだ。
対してステランティスは、リチウムイオン、ニッケル、マンガン、コバルト ( NMC ) の組み合わせと、リン酸鉄リチウム ( LFP ) によるふたつのバッテリーを介してエンドユーザーに蓄電池の選択肢を提供(デュアルケミストリー戦略を背景としたDare Forward 2030計画)。来たる2038 年までにカーボンネットゼロ企業になることを目指している。
そこで両社は上記を踏まえて、昨年の2023年11月の段階で、欧州での電気自動車向けLFPバッテリーセルとモジュールの現地供給に関わる拘束力のないMOUに署名。この際、ステランティス製BEV製造に係る技術ロードマップの作成と、バッテリーのバリュー・チェーン戦略で長期的な協力関係を確認しあった。
ステランティス会長のジョン・エルカン氏は、「当社は、脱炭素の未来に全精力を以て注力しており、競争力のあるEVをお客様へ提供するべく、先進的なバッテリー技術の採用を推し進めています。
今パートナーとの同合弁事業は、クリーンでサステナブルなバッテリー製造ノウハウを有するCATLの先端技術を背景に、炭素削減による更なる持続可能性を当社にもたらすことでしょう。また本日の発表に携わって下さった全てのステークホルダー並びにスペイン当局の継続的な支援にも心から感謝します」と述べた。
一方、CATLの会長兼CEOのロビン・ゼン氏は、「この合弁事業により、当社とステランティスの協力関係は更なる高みに達しました。当社の最先端のバッテリー技術と優れた運用ノウハウが、サラゴサで地盤を築いてきたステランティスの経験値と融合することで大きな成功を収められると確信しています。
そうしたなかでCATLが目指すべき目標は、ゼロカーボン技術を世界中で、より手軽に利用できるようにすることです。我々は、魅力的なモデルへ搭載するための最先端バッテリーの生産を通じて、世界のパートナーと協力することに日々、心躍らせています」と語っていた。