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2024年12月10日【事業資源】

ステランティスとCATL、スペインに大規模LFP電池工場

坂上 賢治

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ステランティス( STELLANTIS,N.V. / 本社:北ホラント州アムステルダム )は12月10日( オランダ・アムステルダム発  、CATLと共にスペインのサラゴサに大規模なリン酸鉄リチウム( LFP )電池工場を建設するべく、合弁会社設立目的を前提とした最大41億ユーロ規模の投資計画で合意に達した。

 

出資比率は両社50対50の合弁。ステランティスは、中距離向けのBおよびCセグメント市場を対象に、耐久性と値頃感を持つ乗用系EV、クロスオーバー、SUVを提供したい考え。

 

また完全にカーボンニュートラルとなる電池工場の建設は、複数の段階を経た投資計画を介して実行に移されていく見込み。具体的な稼働時期は、2026年末までに開始される想定となっており、操業規模はスペイン当局と欧州連合からの支援次第であるものの、最大50GWhの容量に達する可能性があると説明する。

 

ちなみにCATLでは、既に本格稼働させているドイツとハンガリーの2つの工場を通じて、最先端のバッテリー製造技術をヨーロッパへ提供済み。そうしたなかで、新たなスペインの新施設は、欧州当局が掲げる気候目標を逸早く達成させるべく能力を強化。ヨーロッパだけでなく世界規模でのeモビリティと電動エネルギーへの転換を促すため、その取り組みに係るスピードを一層加速させていく構えだ。

 

対してステランティスは、リチウムイオン、ニッケル、マンガン、コバルト ( NMC ) の組み合わせと、リン酸鉄リチウム ( LFP ) によるふたつのバッテリーを介してエンドユーザーに蓄電池の選択肢を提供(デュアルケミストリー戦略を背景としたDare Forward 2030計画)。来たる2038 年までにカーボンネットゼロ企業になることを目指している。

 

 

そこで両社は上記を踏まえて、昨年の2023年11月の段階で、欧州での電気自動車向けLFPバッテリーセルとモジュールの現地供給に関わる拘束力のないMOUに署名。この際、ステランティス製BEV製造に係る技術ロードマップの作成と、バッテリーのバリュー・チェーン戦略で長期的な協力関係を確認しあった。

 

ステランティス会長のジョン・エルカン氏は、「当社は、脱炭素の未来に全精力を以て注力しており、競争力のあるEVをお客様へ提供するべく、先進的なバッテリー技術の採用を推し進めています。

 

今パートナーとの同合弁事業は、クリーンでサステナブルなバッテリー製造ノウハウを有するCATLの先端技術を背景に、炭素削減による更なる持続可能性を当社にもたらすことでしょう。また本日の発表に携わって下さった全てのステークホルダー並びにスペイン当局の継続的な支援にも心から感謝します」と述べた。

 

一方、CATLの会長兼CEOのロビン・ゼン氏は、「この合弁事業により、当社とステランティスの協力関係は更なる高みに達しました。当社の最先端のバッテリー技術と優れた運用ノウハウが、サラゴサで地盤を築いてきたステランティスの経験値と融合することで大きな成功を収められると確信しています。

 

そうしたなかでCATLが目指すべき目標は、ゼロカーボン技術を世界中で、より手軽に利用できるようにすることです。我々は、魅力的なモデルへ搭載するための最先端バッテリーの生産を通じて、世界のパートナーと協力することに日々、心躍らせています」と語っていた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。