遠隔アシスト用操作ボタン(左4個のボタン)及びセンターにおける操作模様
ソリトンシステムズ、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学未来社会創造機構(名古屋大学)、同大学発ベンチャーのエクセイドの3者は協同で自動運転の走行を遠隔の監視・操作・支援できる遠隔型自動運転システムを開発した。
これは操作者が簡易なボタン操作によっても自動運転を遠隔支援できる自動運転システム。これにより、自動運転での対応が難しい生活道路での路上駐車車両の迂回など、多様な対処が求められる走行ケースでも運行の継続が容易になる。
遠隔型自動運転(遠隔アシスト)システム(遠隔アシストは遠隔型自動運転システムの一部を構成)
今日、全国各地の公道上での自動運転実証(自動運転レベル2)が行われている。しかしいすれも緊急時に対応するべくドライバーもしくは監視者が車両に乗車することが求められるケースが多い。
一方で、同乗ドライバーの操作の代わりに遠隔地から自動運転車を制御する遠隔型自動運転システムは、その多くがあらゆる環境下での対処を目指した遠隔運転方式であるものの、突発的な事案に遭遇した際、対応の即応性を欠くという課題があった。
そこで今回の3者による遠隔アシストでは、自動運転車が自らの搭載システムで対応できずに、人間等の支援を要求した際、遠隔の監視・操作者は車両のリアルタイム状態を認知して、速やかにボタン操作によってどういう対処をしたら良いかを車両に伝える。
路上駐車車両迂回追い越し可能経路の遠隔アシスト判定画面
こうした遠隔アシストの導入により、現在の自動運転実証実験(レベル2)段階に於ける同乗ドライバーの負の軽減目指す。加えて、今後のドライバー無人運行(レベル4)車両に於いても、都度、車両に人員が駆け付けて運転操作を行うことなく遠隔からのアシスト操作による走行の継続が保証する。
上記の遠隔アシストを用いた日本初となる実証実験は、愛知県春日井市高蔵寺ニュータウンの公道で12月17日から開始。この取り組みは住宅街に於ける自動運転サービスの高度化に関する研究開発「知の拠点あいち重点研究プロジェクトD9」の一環で実施するものとなっている。
その仕組みは、自動運転システム「ADENU」搭載の電動カート車の自動走行を豊田市内に設置した遠隔センターから、遠隔監視・操作者が遠隔アシストを組み込んだ遠隔型自動運転システムにより支援する形となる。
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今参画3者の組織概要は以下の通り
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株式会社ソリトンシステムズ
設立以来、ソリトンシステムズは IT・エレクトロニクス業界にあって、常に新しい技術トレンドを見据え、いくつもの「日本で初めて」を実現してきた。近年は、認証を中心とした ITセキュリティからサイバー対策まで、また携帯電話回線4G、5Gや Wi-Fi を利用した高精細の映像伝送システム、遠隔運転、遠隔操作などに取り組んできた。
設立:1979年、売上190億円(2023年12月期・連結)、東証プライム
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国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学未来社会創造機構
イノベーションに関わる研究開発及び人材育成の拠点として、最先端の産学連携プロジェクトを強力に支援し推進するため、2014年に設立された名古屋大学における専任教員・職員からなる組織。産学官連携によるアンダーワンルーフのコンセプトに基づき、緊密な共同研究・開発を推進することとしている。
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株式会社エクセイド
名古屋大学が研究開発した自動運転システム「ADENU(Autonomous Drive Enabler by Nagoya University)」パッケージソフトの全国的な提供、販売を通じて,モビリティサービスの共創に役立つことを目指す名古屋大学発ベンチャー(2021年設立)。グリーンスローモビリティを自動運転化して各地の実証実験に参加。路車協調システムや遠隔監視システムと連携した実証実験やパーソナルモビリティの自動運転化の研究開発も行っている。