NEXT MOBILITY

MENU

2025年3月1日【事業資源】

スカイドライブ、ドバイのヘリ運航社から最大50機を先行受注

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ドバイの観光名所パーム・ジュメイラを遊覧する「SKYDRIVE」のイメージ

 

 

 

 

国内外で「空飛ぶクルマ」の開発に携わるSkyDrive(スカイドライブ)は、ドバイ首長国のヘリコプターチャーター会社AeroGulf Services Company LLC(AeroGulf Services/エアロガルフサービス)と、パーム・ジュメイラでの空飛ぶクルマの事業検討に関する覚書を締結。スカイ・ドライブの機体「SKYDRIVE」のプレオーダーで最大50機の合意に達したという。

 

ちなみにエアロガルフサービスは1976年当時、空からドバイの石油の石油・ガス事業をサポートする役割を担うべく、同国初の商業用ヘリコプターの運航会社・航空機整備施設に携わる企業として立ちあげられた。

 

その後、貨物輸送、救急医療、エアタクシー、空撮・調査へとサービス領域を拡大。現在は、MENA (中東および北アフリカ) 地域の企業向け並びに政府系空輸事業社にもフリートサービスを提供。今日に於いては、電動であるためCO2を排出せず環境に優しい空飛ぶクルマの事業化にも取り組んでいる。

 

そうしたなかで観光事業への参入も視野に据えており、今回スカイドライブの遊覧飛行に適したコンパクトな3名乗りの機体に魅力を感じて、最大50機のプレオーダーを決めた。今提携により、エアロガルフサービスとスカイドライブは、ドバイの観光スポットのパーム・ジュメイラでの商用飛行を目指し、ルートを検討していく構えだ。

 

 

エアロガルフサービスのファハド・モハマド・ミール・ハシェム・ホーリーCEOと、SkyDriveでグローバルインテリジェンスオフィサーを務める安河内佳祐氏

 

 

より具体的には、エアロガルフサービスのファハド・モハマド・ミール・ハシェム・ホーリー(Fahad Mohammad Mir Hashem Khoory)CEOは、「スカイドライブと提携し、航空の新たな時代をドバイで切り拓けることを大変嬉しく思います。

 

私たちの持続可能性とイノベーションへ取り組みは、環境に優しい未来を目指すドバイのビジョンに一致しています。当社は、空飛ぶクルマの技術により、安全性、効率性、優れたサービスへの取り組みを維持しながら、都市モビリティの変革に向けて大胆な一歩を踏み出しています。

 

スカイドライブ社と当社は、今回のパートナーシップにより、環境に優しい空の旅の新しい基準をこの地域で確立し、住民や観光客にシームレスで持続可能な空の旅を提供することを目指します。空飛ぶクルマの活用により、CO2排出量を削減するだけでなく、ドバイの主要地への接続性とアクセス性を向上させます」と述べた。

 

————————————————

 

またこれを受けてスカイドライブ代表取締役CEOの福澤 知浩氏は、「これまで、米国やアジアでの市場開拓を進めてきました。今回、エアロガルフサービス社とのパートナーシップにより、中東での初めての市場開拓となり、空飛ぶクルマ事業を実現するうえで重要な一歩となります。

 

エアロガルフサービス社はドバイで最も歴史の長い商用ヘリコプター運航会社で、メンテナンスの技術はアラブ首長国連邦政府にも利用されています。安心・安全を第一に考える当社にとって、エアロガルフサービス社はドバイでの最適なパートナーと考えています。

 

ドバイは、世界に先駆けて空飛ぶクルマの運航準備が進められており、居住者のみならず、近隣の諸国をはじめ世界中から観光客・ビジネス客が集まる場所です。エアロガルフサービス社と協力し、まずは巨大な人工島パーム・ジュメイラから、コンパクトな機体を活用した遊覧飛行を実現し、多くの方に空飛ぶクルマを体験して頂くことで、利用価値を世界中に広めていきたいと考えています」と話している。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。