ゼロエミッション水中翼船を手掛けるシーバブルズ社(SeaBubbles)は9月13日(仏オートサボア県、サン・ジョリオ発)、最先端の新モデル「スマートバブル(SmartBubble)」をリリースした。
この小型の水中翼船は、最大乗員8人を乗せて時速16ノット(約30km/h)で運行できるよう設計されており、環境に優しく静かな航行で乗客を運べるため、都市の水上タクシーサービスに最適だと同社では謳っている。
そんなシーバブルズ社は当初、アヌシー湖に於いて初の一般向け航路を用意。何百人もの乗客が「ザ・バブル(The Bubble/4人乗りモデル)」に乗ってユニークな体験を提供。これに続き、今回は8人乗りモデルの「スマートバブル」の披露に伴う新たな特許出願も行うなどの自社にとっての転換点ともなるマイルストーンを示した。
ちなみに同社の最新鋭の機体製造では、エネルギー効率を最も重視。自動フラップを備えた水中翼により低速飛行が可能になり、航行に必要なエネルギーを40%節約できたという。
加えて今回、シーバブルズ社は、更なる航行制御の知見を獲得するべくネオ・オーシャン社(Neocean社)の買収も発表した。この企業は安定性に優れた双胴船オーバーボート(Overboat)の開発で著名な存在だった。
これらの取り組みについてシーバブルズ社CEOのVirginie Seura氏は、「当社の目標は、より効率的で環境に優しい船で都市部と郊外の海上輸送に革命を起こすことです。カランク国立公園、ノルウェーのフィヨルド、アルプスの湖、アムステルダムの運河などの例は、熱水船の航行を段階的に禁止することで水生生態系の保護に向けた積極的な取り組みを掲げています。
そうしたなかで我々の水中翼船は、従来型のボートよりも容易に、かつ、より少ないエネルギーで移動できます。これはコストとエネルギーの大幅な削減を可能にするため、当社の機体は今後は、一層注目されることでしょう。そうした見地からネオ・オーシャン社の買収は、今後の本格製造への向かうための重要な転換点になると見ています。
私たちはこれまでのボートに係る技術環境を再定義し、ますます厳しくなる環境基準に準拠する新たなボートを提供すると共に、騒音ゼロ、波ゼロ、排出ゼロという独自技術を背景に航海の快適さを提供する準備ができています」と述べた。