写真は、試験装置に設置されたメガワット級のPEM(プロトン交換膜)型水電解スタック/シェフラー(Daniel Karmann)
最新の1メガワット級プロトン交換膜型(PEM)水電解スタックを展示
シェフラーは、6月25日から27日に掛けてスペイン・マドリードで開催された「欧州国際水素会議・展示会(CGHE:Connecting Green Hydrogen Europe)」で水素技術に係る革新技術を披露した。
会場は、マドリード最大のコンベンションセンター「IFEMA」で、水素業界の専門家や意思決定者が一堂に会する舞台で、最新のトレンドや技術について様々な議論が行われた。そんな場面でシェフラーは、最新の1メガワット級プロトン交換膜型(PEM)水電解スタックを展示。
このシェフラーによるPEM型スタックは、市場導入が始まったばかりの製品で、1日あたり最大500キログラムの高純度水素を製造する能力を有するもの。
この水電解スタックについて、シェフラーベアリング&インダストリーソリューションで水素事業の責任者を務めるフロリアン・ヴィンディッシュ氏は、「当社は、未来を見据えた水素技術の核となるシステムおよびコンポーネントを開発・提供しています。そうしたなかで今回、我々の展示ブースで披露したPEM型水電解スタックは、持続可能で高効率な水素製造に不可欠なサブシステムです。
写真はドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハのPEM型水電解スタック組立ライン/シェフラー(Daniel Karmann)
現在、本社拠点では水電解スタックを量産する施設の建設が進められている
我々は平素より、カーボンニュートラルで持続可能な未来の実現に向けて、様々な取り組みを行っており、なかでもグリーン水素には非常に大きな可能性があることを認識しています。
従って地域随一のモーション・テクノロジー企業を自負する当社は、水電解によるグリーン水素の製造から、モビリティ・定置用の燃料電池アプリケーション、更にはグリーンスチールの生産に至る水素の利用方法まで、あらゆる技術的可能性を探っている最中にあります。
そうしたなかで今回披露したPEM型水電解スタックは汎用性に優れ、多彩な工業用アプリケーションに適した仕様です。もちろん複数のスタックを配列して接続することも可能で、50キロワットから数メガワット規模の発電容量にまで対応する柔軟なソリューションとなります。
そもそも当社には、長年に亘り積み上げてきた工業技術の知見があります。効率的に量産化できるノウハウも持ち合わせており、過去からの知見を活かすことで、水素技術の規模拡大に必要な条件や能力を的確に割り出すことも可能なのです。
例えば、精密成形、溶接、コーティング技術に加え、量産対応のプロセスや、独自基準を活かした自動組立技術など、技術的蓄積の多様さを誇る当社は、当然、水素社会の拡大に必要不可欠な最先端技術を有しており、我々が本社を構えるドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハでは、現在、水電解スタックを量産する施設の建設が鋭意進められているところです」と説明した。