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2024年10月2日【事業資源】

独ポルシェ傘下のMHP、メキシコに新拠点を開設

坂上 賢治

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ポルシェAGが昨年3月に傘下に収めた ITコンサルティング会社MHP GmbHは10月1日、メキシコのグアダラハラに子会社となるMHP Management and IT Consulting Mexico S. de RL de CVを設立。今後の国際的成長に向けた重要な第一歩を記した。

 

この海外戦略により、MHPは北米および中米でのプレゼンスを拡大。ITサービスを米国大陸の好機で展開していく構えだ。これによりメキシコの新拠点は、米国、英国、ルーマニア、中国に次ぐMHPの5番目の子会社となる。

この新たな進出計画についてMHPのグループでCOOを務めるマルクス・ワンバッハ氏は、「アトランタのMHPアメリカズに加えて、アメリカ大陸にもう1拠点を加えることで、多様な客様のご要望により効率的に対応できるようになります。

 

もはや革新的な技術に関わる将来ニーズは、ドイツとヨーロッパだけで見つかるものではありません。そのゆえ今後数年間で、世界中で新しい人材を開拓し、グアダラハラのチームを拡大することが不可欠です。

 

今回、メキシコに拠点を設立したことは、我々の中米市場へ於ける長期的な取り組みを示すものとなります。この取り組みは、予てよりのMHPの戦略計画の一環でもあり、顧客の近くで効率的にカスタマイズを施したソリューションを現地で的確かつ素早く提供できるようにすることを意味しています」と述べた。

 

また併せてMHPのグループCFOを務め、国際化および投資管理の責任者でもあるマーク・ツィンメルマン氏は、「MHP Management and IT Consulting Mexico S. de RL de CVの設立は、世界中の顧客のニーズを満たす効率的なサポートを提供しようとする当社の姿勢を示すだけでなく、コンサルティングおよび製品サービスの柔軟性を高めるための大きな一歩となるものです。

 

MHPのグローバル成長戦略に沿って、メキシコの拠点の開発は、これまでの当社の研究範囲を拡大させ、より効率的で低コストなインフラストラクチャを構築したいとする当社の考えを実現させるものとなります。これにより、特に米国市場の激しい競争のなかで、当社が成功を収めるための乗用なピースとなることでしょう」と説明した。

 

なお最後に新拠点の開設には、グアダラハラにあるポルシェAGの完全子会社であるポルシェ デジタルの既存組織を引き継ぐことも含まれていることを示唆している。

 

ポルシェ デジタルは、米国、ヨーロッパ、中国の既存の10拠点に事業に係るポテンシャルを集中させ、メキシコの拠点はMHPに引き渡す。これにより既存の従業員はMHPに引き継がれ、MHPの事業を大きく強化する側にまわる。

 

 

これには、これまでポルシェデジタルのマネージング ディレクターであったステファン ヴィドマー氏にも当てはまる。将来のMHP Management and IT Consulting Mexico S. de RL de CVのCEOを担うものと目されているヴィドマー氏は、「MHPは1996 年にカールスルーエ=エットリンゲンで設立されて以来、27年以上に亘って着実かつ持続的に成長してきました。そんなMHPが今回のステップでラテン アメリカ市場に参入することを嬉しく思います。

 

当社がこれまでに蓄積してきた専門知識のおかげで、私たちは既にラテンアメリカ地域で優位な立場にあり、今後はMHPの世界的な成長に貢献することができるようになるでしょう」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。