ボルボカーズ傘下のポールスター・オートモーティブ・ホールディングUK.PLC (ナスダックPSNY/Polestar Automotive Holding) は11月8日、利益率改善と資金需要の解決を目標に新たな事業計画を発表した。
具体的には、急変化する経営環境を鑑み、販売計画(台数)の達成より、利益増加を優先するため収益性確保に向けた事業計画を策定・導入する。
その計画は、2025年度に年間総販売台数約155,000~165,000台・10 %台後半の粗利益を目標とし、現在生産の4モデルラインを保ったままで運用コストを削減。加えて中国国内での新たな合弁事業や米国事業の収益性改善策によって達成させたい意向だ。
そもそも同社は、今年初めに発表した人員削減策を中心とした事業計画を既に実施しており、今後も引き続き積極的なコスト管理の取り組みを進めていく。
ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、「事業計画を練り直して、必要な措置を講じたことにより事業コストを削減。経営上の運用効率を改善して、経済環境の悪化を問わない事業回復力と収益性の高いものづくりを構築。それと同時に運用資金の削減も行っていきます。
今計画により2025年を目標に据えたキャッシュフロー上の損益分岐点を達成させることは、当社独自のアセットライト型ビジネスモデル(Asset&Light/資産保有を抑え、財務を軽くすることを目指す経営)の強さを示すことになるでしょう。
今後は4ラインのラグジュアリーラインナップで経営を支え、販売量よりも利益を確保することが私たちの使命となるでしょう」と話している。
対して吉利控股は追加の流動資金を提供。親会社のボルボ・カーズ(株式の48.3%を保有)は、未払いの定期ローンの満期を2027年6月まで3年以上延長し、同じ満期日で合計2億ドルの追加融資枠を提供。合計で2億ドルの追加融資枠を提供した。これによりポールスターへの投資額は10億ドルに達する。
更に吉利スウェーデン・オートモーティブ・インベストメントAB(吉利控股の関連会社)は、2027年6月の満期を含め、ボルボ・カーズと実質的に同じ条件で2億5,000万ドルの定期融資を利用可能にした。なお、どちらのローンにもオプションで株式変換機能が付きとし、ポールスターへの継続的なコミットメントを示した。
なおポールスターは、2025年に目標としているキャッシュフローの損益分岐点を達成させるまでに約13億ドルの外部資金が必要になると予想しており、同社は主要株主と協力して、追加の負債と株式を含む必要な残りの資金を獲得するための総合的な資金調達計画を慎重に推し進めていく。
一方、ボルボ・カーズの最高財務責任者ヨハン・エクダール氏は、「ポールスターは、ポールスター3とポールスター4の発売により、成長と収益性の新たな段階に入ろうとしています。
今回、強化された事業計画は、収益性の高い方法で事業目標を追求しながらポールスターの財務をより安定させることになるでしょう」と話している。