パイオニアと、アルゴリズムデータを事業に活かすDATAFLUCT(データクラフト/本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:久米村 隼人)は9月25日、社用車によるエコドライブ実証を開始する。
具体的には、電子部品実装ロボットや工作機械の開発・製造・販売を担うFUJI(本社所在地:愛知県知立市、代表取締役社長:五十棲 丈二)と共同で、CO2排出を抑える運転(エコドライブ)による効果を可視化する「becoz drive(ビコーズ・ドライブ)」の提供を介して、当該企業の社用車管理及び運行に係る実証実験を9月25日から実施中だ。
ちなみにこの「ビコーズ・ドライブ」とは、CO2排出を抑えるエコドライブの実行に必要な運行・運転情報を、対象企業並びドライバーへ提供。ドライバーの行動変容を促すことで、CO2排出量を削減できるアプリケーション(アプリ)並びにそれらを包括するシステム全体を指している。
なお同システムは、専用のスマートフォンアプリのGPSデータから取得した走行履歴を基に、クラウドプラットフォーム「Piomatix for Green(パイオマティクス・フォー・グリーン)」を介して正確なCO2排出量や、ガソリン消費量を算出する。
その計算結果からドライバーへエコドライブ結果を提供、ポイントを付与する。企業としては、こうした一連の算出ソリューション活用にあたって、車両への専用デバイスの搭載などは一切不要で、スマートフォンに導入したアプリのみで利用できることから、企業としては手軽に導入・管理することができる。
また企業は、このもビコーズ・ドライブの利用を自社社員に促すことを介して、CO2排出を抑えた運転にインセンティブを与えることができ、社用車利用の可視化だけでなく保有車両の効率的利用にも役立つ。
それは例えば、渋滞を回避するためのレコメンド。エコドライブの貢献度に応じたポイント等の付与など。個々の社員が貯めたポイントは、企業の福利厚生サービスとして割引券やクーポンに交換でき、対象のドライバーがエコドライブを実践することを後押しする。
さて今回の3社(パイオニア・データクラフト・FUJI)による取り組みは、そもそもFUJIが、2030年度のCO2排出量を2013年度比で46%削減することを中期目標(Scope1、Scope2)に掲げてきたことがある。
これを踏まえた中期目標以降のScope3でFUJIは、 2050年売上高原単位でCO2排出量80%減(2021年度比)を最終目標に据えている。そこで参画3社は、共同でCO2削減の目標達成を目指すことになった。
具体的な実証実験に於いては、FUJI本社の従業員900名が共同利用する社用車16台を対象に、営業車両で移動する際に、スマートフォンにインストールしたアプリから走行ログを取得する。
こうして取得したデータは、データクラフトとパイオニアが共同開発しているビコーズ ドライブを介して、〝CO2排出量削減効果〟、〝ガソリン代の削減効果〟、〝安全運転意識の向上効果〟、〝社用車オペのコスト対効果〟を算出。算出データから「行動変容の可能性」と「フリートマネジメントの利便性」について検証する。
3社の今後の展開については、9月25日から約1ヶ月間、当該アプリを活用した実証実験を順次消化。その後、効果検証や体験者へのインタビューを実施していく予定だとしている。