ヴァレオは年初に、電動化市場に対する市場からの期待に応えるべく、サーマルとパワートレイン事業を一つの組織に統合するプロジェクト始動を発表していたが、4月22日、それを実現させるべくヴァレオ・パワー部門を設立した。
ヴァレオでは、電動化の加速には車両の航続距離、性能、快適性を向上させるパワートレインと熱管理システムが不可欠であり、それゆえ今回新設したヴァレオ・パワー部門は7つのリージョナル・オペレーションからなる無駄のない組織構造を導入したという。
また今後は、社会的・法的手続きが完了するまでに、従来のヴァレオ・サーマルシステムとパワートレインシステムのビジネスグループが段階的に置換されていくとしている。
なお同部門のトップとしてグザヴィエ・デュポン氏が、ヴァレオ・パワー部門の最高経営責任者兼ヴァレオグループ執行副社長に任命される予定だ。但し移行期間中、プロダクトグループ/リージョナル・オペレーションの現在の組織は、今後の地域事業別の組織と共存することになるとした。
ヴァレオのクリストフ・ペリヤCEOは、「今日は、従来のパワートレイン・システム・ビジネスグループとサーマル・システム・ビジネスグループの統合によって、新たにヴァレオ・パワー部門が創設された当社の歴史上でも重要な節目です。
電動化を更に加速する中、ヴァレオパワー部門は、性能とコストの面で市場の期待に応えるテクノロジーをお客様に提供できるようになります。加えて新部門はグループの競争力と財務状況の強化にも貢献していきます。
それと同時に、ヴァレオの他の 2 つの部門についても、活動の進化を反映するために、名称を改めます。まずひとつは、〝ヴァレオ・コンフォート&ドライビングアシスタンス・ビジネスグループ〟は、〝ヴァレオ・ブレイン部門〟となります。
今後モビリティは、ソフトウェア定義車、先進運転支援システム (ADAS) の加速と、それらが車室内の体験にもたらす新たな機会に向けて進化しています。
これら全てには、ソフトウェアと、車両の頭脳のように機能する強力なコンピューティング・ユニットが不可欠です。そうした目的を達成させるべくマルク・ヴレコーがヴァレオ・ブレイン部門の最高経営責任者兼ヴァレオグループ執行副社長に任命されます。
次に〝ヴァレオ・ビジビリティ・ビジネスグループ〟は、〝ヴァレオ・ライト部門〟となります。安全なモビリティには、見るにも見られるにも光が不可欠です。
そこでワイパーとセンサー・クリーニング・システムによって、光を歪みなくドライバーやセンサーに到達させることが必要となります。モビリティの革命は、あらゆる場所を照らすライティング・エブリウェアを加速させ、電気自動車や先進的な車両はライティングのデザイン、機能、パーソナライゼーションの面で新たな機会を提供します。
同部門では、マウリッツオ・マルテネッリが、ヴァレオ・ライト部門の最高経営責任者兼ヴァレオグループ執行副社長に就任します。ヴァレオの新しい事業構造はこれらの3つの部門を中心に組織され、2024年上半期決算からグループの財務報告セグメントとなります。
加えてヴァレオのアフターマーケット事業は、引き続きヴァレオサービスとして継続し、エリック・シューラーがヴァレオサービスの最高経営責任者を務めます。
当社はテクノロジー企業であり、すべての自動車メーカーとニューモビリティプレイヤーのパートナーであるため、モビリティをよりクリーンで、より安全で、よりスマートにするために、たゆまずイノベーションを行っていき、電動化の加速、ADASの加速、インテリア・エクスペリエンスの再創出とライティング・エブリウェアに於いて、技術的・工業的なリーダーとしての地位を保ち続けて行きます」と結んでいる。