
JLR(ジャガー・ランドローバー)は3月20日(英国ゲイドン発)、ウェスト・ミッドランズの主力拠点に欠かせない約150名の技術者を新規雇用すると発表した。
今回、募集の対象となるエンジニアリング人材は、予てより同社が掲げてきた〝REIMAGINE(リイマジーン/新想像)〟戦略の中核技術を託せる人員であり、ロボット、自動溶接装置、レーザー接合システムなど、JLRの最先端の製造領域を担い、2020年代末までに全ブランドでBEVをラインアップする目標を推し進めることに期待を寄せている。
150名のうち50名はJLRのソリハル工場で、RANGE ROVER初となるBEV〝RANGE ROVER ELECTRIC〟の生産のための先端設備のメンテナンスを担当する。残りの100名は、ウルヴァーハンプトンにあるJLRの電気推進製造センター(EMPC)に配属される。この施設は同社の英国に於ける産業拠点としての役割を担っており、新規人材はJLRの次世代EV用のバッテリーパックや電気駆動ユニット(EDU)の製造に係る高度な機械のメンテナンスを担当する。
ちなみにJLRの〝REIMAGINE〟戦略は、未来志向の電動モダンラグジュアリーを実現することを目標としており、より具体的には、来たる2039年までにサプライチェーン、製品、オペレーションの全てを通じてカーボンネットゼロ(排出ガス量実質ゼロ)を目指すべく事業変革に取り組んでいる。
そうしたなかで新たな人材獲得に取り組むJLRのインダストリアル・オペレーション担当エグゼクティブ・ディレクターのナイジェル・ブレンキンソップ氏は、「人材と最新技術への投資は、〝REIMAGINE〟戦略の一環となるものです。未来に向けて工場の変革が順調に進行しているなか、私たちはこのような成長を支えるために、持続可能なイノベーションについて情熱を注いでくれる優秀な技術者を求めています。
新規採用活動と共に、JLRは「Future Skills Programme(フューチャー・スキルプログラム)」として、電動化に向けた従業員のスキルアップも急速に進めています。現在では、2万人以上の従業員とパートナーが電動化とデジタルスキルに関するトレーニングを受けています。
この取り組みは、JLRが産業フットプリント、車両プログラム、自動運転、AI、デジタル技術、そして人材スキルを変革するために実施している年間30億ポンドの継続的な投資がベースとなっています。
この投資により、ソリハル、ヘイルウッド、ウルヴァーハンプトンの製造施設を根本的に変革し、EVとその部品の生産体制を整えることができました。また、内燃機関やハイブリッドエンジンの並行生産も可能です。
JLRが今後導入するRANGE ROVER初のBEV〝RANGE ROVER ELECTRIC〟のウェインティングリストは現在、57,000にものぼります。ソリハル工場では〝RANGE ROVER ELECTRIC〟の他、新生JAGUAR のモダンラグジュアリーなEV3車種のうち、最初のモデルとなる4ドアGTの製造も担うことになります」と話している。