ステランティス NVは12月1日(オランダ・アムステルダム発)、ジョン・エルカン会長の指揮下にある取締役会で、カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)の辞任を即時承認したことを明らかにした。
今後、新しい常任最高経営責任者を任命するプロセスは、取締役会の特別委員会によって管理され、2025年上半期中に完了する予定。それまではジョン・エルカン氏が議長を務める新しい暫定執行委員会により運営される。
ステランティスのシニア独立取締役アンリ・デ・カストリーズ氏は、「ステランティスの創業以来の成功の足跡は、株主、取締役会、CEOの連携により運営されてきた。しかし、ここ数週間で見解の相違が浮上し、取締役会とCEOは本日の決定に至った」と述べた。
またジョン・エルカン会長は、「カルロスの長年に亘る貢献と、PSAとオペルの業績回復に加え、ステランティスの創設に関しての尽力に感謝する。彼の取り組みにより、我々は業界のグローバルリーダーとなる道を切り拓くことができた。
今後は新しい暫定執行委員会と協力し、新CEOの任命プロセスを進めていく。我々は力を合わせて、ステランティスと全てのステークホルダーの長期的な利益のために、事業戦略を引き続き精力的に推し進めていく」と語っている。
なおタバレス氏は既に2026年初めの契約終了を以てCEOを退任することを発表していたが、2024年の業績見通し(通期利益とキャッシュフロー)を下方修正した後、ステークホルダーなどから批判を受けていた。またブランド再編に係るタバレス氏の意思表示に伴い、傘下の労働組合等との対立もあった。但し退任の直接的な理由は不明。退任に伴う影響からか、株価は一時的に年初来約40%にまで下落した。