今後ブリヂストンは、欧州に於けるリトレッド用部材生産拠点を、ポーランドのスタルガルト工場へ事業集中させていく意向だ。
ブリヂストン傘下のバンダグ ヨーロッパ エヌヴィー(バンダグ)は9月12日(ベルギー/ディルセン-ストッケム発)、臨時従業員会議に於いて、ベルギーのランクラーにあるリトレッド用部材の生産工場を2025年上期目途に閉鎖する意向を明らかにした。
予てよりブリヂストンは、中期事業計画(2024-2026)に基づき、欧州事業の再編・再構築を進めている。これまで「過去の課題に正面から向き合い、先送りしない」を軸として、中期事業計画(2021-2023)にて第1ステージを実行。2024年から2025年に掛けは「事業再編・再構築第2ステージ」として、統合およびシンプル化を通じて、「更に欧州事業の形を変える」取り組みを推進している。今回のランクラー工場閉鎖の検討は、その一環となる。
ちなみに欧州のリトレッドタイヤを含むトラック・バス事業は、東アジア地域からの低価格タイヤの流入もあって過去10年間に亘って欧州で再生タイヤマーケットが30%減少するなどで収益性に課題が多かった。
そこで同社では、これまでも不採算ビジネスからの撤退や、再生タイヤ市場の価値を認めて貰えるべく、顧客への提案や市場に於ける拡大地域を限定するなどで、収益性の改善を目指した事業再構築を実施してきた。
そうしたなかで今回、今後の事業環境、収益性、持続性を包括的に検討した結果、リトレッド用部材生産拠点をポーランドのスタルガルト工場に集約することが、欧州でのリトレッドビジネス継続の唯一の選択肢であると判断したという。
今後、ランクラー工場閉鎖に向けて関係者と丁寧に協議すると共に、工場閉鎖が決定した際には、影響を受ける111名の従業員を支援するために必要な取り組みを行っていく見込み。
ブリヂストンでは、「当社は、今後も欧州のトラック・バスタイヤ事業に於いてビジネスポートフォリオを再構築し、よりプレミアムへのフォーカスを徹底していきます。
また、リトレッドを見据えた断トツ商品の強化や、お客様に寄り添った現物現場でのサービスを拡充すると共に、欧州Webfleet Solutionsによるモビリティソリューションとの連携を深めていくことで、断トツ商品の価値を増幅し、社会価値・顧客価値の創造を強化していきます」と述べている。
<ランクラー工場 概要>
1. 所在地 : ベルギー王国 ランクラー
2. 生産品目 : リトレッド用部材(プレキュアトレッドおよびクッションゴム)
3. 操業開始 : 1970 年
4. 従業員数 : 111名